もうげっそり頬もこけてしまって、身動きもできなくなり、二三日のうちにははや褥瘡 のようなものまでができかかって来るという弱り方であった。
梶井基次郎 / のんきな患者 ページ位置:3% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
患者・病人・けが人
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......頼もうかと思ってはむだに辛抱をしたり、いつまでもひどい息切れを冒しては便所へ通ったり、そんな本能的な受身なことばかりやっていた。そしてやっと医者を迎えた頃には、もうげっそり頬もこけてしまって、身動きもできなくなり、二三日のうちにははや褥瘡 のようなものまでができかかって来るという弱り方であった。ある日はしきりに「こうっと」「こうっと」というようなことをほとんど一日言っている。かと思うと「不安や」「不安や」と弱々しい声を出して訴えることもある。そういうと......
単語の意味
床擦れ(とこずれ)
頬(ほお・ほほ)
床擦れ・・・体の同じ箇所に一定以上の圧力が継続的に加わることで、血流が悪くなり、皮膚やその下にある組織が死んでしまう外傷。病気や怪我などで長く寝たきりの状態が続くと起こりやすい。褥瘡(じゅくそう)。
頬・・・顔の一部。顔の両脇で、口の真横にあるやわらかい部分。ほっぺ。ほっぺた。
ここに意味を表示
患者・病人・けが人の表現・描写・類語(人の印象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(病兵たちは)思い思いの 恰好 で横わり、時々立ち上って無意味にのろのろと動いた。人間よりは動物に近かった。しかも当惑のため生存の様式を失った、例えば飼い主を離れた家畜のように見えた。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
患者の手足はかたくこわばり、木づくりの人形のようだった
北社夫 / 夜と霧の隅で amazon
このカテゴリを全部見る
「人の印象」カテゴリからランダム5
ネグリジェの中の体は冷えた粘土のように堅く、重かった。
阿刀田 高 / 捩れた夜「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
綿屑のようにころがる死骸
阿部 昭 / 千年 amazon
「健康・体調・病気」カテゴリからランダム5
死んだようにぐったり
林 芙美子 / 浮雲 amazon
道端でもかまわないすぐ横になりたいような疲労が来る。
梶井基次郎 / 城のある町にて
同じカテゴリの表現一覧
人の印象 の表現の一覧
健康・体調・病気 の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ