(余命わずかの患者)垢じみた布団に身を横たえているおばはんの眼に光が次第に消えていく
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 ページ位置:14% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
患者・病人・けが人
瀕死・虫の息
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......勝呂はこれと同じように茶色くしなびた彼女の細腕を思いうかべた。戸田の言う通りなのだ。あの女はもう十か月は保たないだろう。毎朝、臭気のこもった大部屋に行くたびに、垢じみた布団に身を横たえているおばはんの眼に光が次第に消えていくのを彼はとうから気づいていた。 あれは門司が空襲で焼かれた時、この街に妹を頼って逃げてきた患者である。街にいってみるとその妹も家族と共に行方不明になっていた。警......
単語の意味
垢(あか)
垢・・・皮膚の上の、汗やほこり、脂が交じってできる汚れ。
ここに意味を表示
患者・病人・けが人の表現・描写・類語(人の印象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
まるで月光の滴りでも落してやるかのように病人の口の中へその水の滴を落してやった。
横光 利一 / 時間 amazon
患者の手足はかたくこわばり、木づくりの人形のようだった
北社夫 / 夜と霧の隅で amazon
このカテゴリを全部見る
瀕死・虫の息の表現・描写・類語(生と死のカテゴリ)の一覧 ランダム5
「死」がついに、この老人を捕えた
芥川龍之介 / 偸盗
このカテゴリを全部見る
「人の印象」カテゴリからランダム5
(ベッドの上の患者)この男はもうすぐ死ぬのだということが理解できた。彼の体には生命力というものが殆ど見うけられなかった。そこにあるものはひとつの生命の弱々しい微かな痕跡だった。それは家具やら建具やらを全部運び出されて解体されるのを待っているだけの古びた家屋のようなものだった。
村上 春樹 / ノルウェイの森 下 amazon
尋恵は身体を凍りつかせた。 人の気配を部屋の中に感じた。 まさか……そう思い、背中を撫でる空気の動きの正体を見極める。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
女に好かれる男というものはいつも心の奥に赤ん坊の皮膚のような柔らかいいたいたしいところを持っていて
森田 たま / もめん随筆 amazon
振はない風采
芥川龍之介 / 芋粥
「健康・体調・病気」カテゴリからランダム5
一瞬、熱にうかされた頭で、何が現実にあったことなのかわからなくなった。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
「生と死」カテゴリからランダム5
十和子のためにひとりの男が殺人まで犯したと思うことが一種甘美であるからか。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
人の印象 の表現の一覧
健康・体調・病気 の表現の一覧
生と死 の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ