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電話のベルは十五回鳴って、そして切れた。ベルが死んでしまうと、まるで重力が均衡を失ってしまったような深い沈黙があたりに充ちた。氷河にとじこめられてしまった五万年前の石のような深く冷たい沈黙だった。十五回の電話のベルが僕のまわりの空気の質をすっかり変えてしまったのだ。
村上春樹 / ねじまき鳥と火曜日の女たち「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 ページ位置:39% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
...... どうしてなんだ? と僕は思った。どうして僕のことをみんなそっとしておいてくれないんだ? 十分ばかりあとでまた電話のベルが鳴ったが、今度は受話器をとらなかった。電話のベルは十五回鳴って、そして切れた。ベルが死んでしまうと、まるで重力が均衡を失ってしまったような深い沈黙があたりに充ちた。氷河にとじこめられてしまった五万年前の石のような深く冷たい沈黙だった。十五回の電話のベルが僕のまわりの空気の質をすっかり変えてしまったのだ。 二時の少し前に僕は庭のブロック屛をのりこえて「路地」に下りた。「路地」とは言っても、それは本来的な意味での路地ではない。正直なところ、それは何とも呼びようのな......
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鼓膜が変になるような静けさ
島尾 敏雄 / 出孤島記 amazon
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(ギターコンサート)《黒いデカメロン》の一曲目〈戦士のハープ〉が、緊迫した、ほとんど魔術的なほどに広大な二オクターヴの跳躍で始まると、会場はもう、つい今し方までとは別の空間になっていた。反復的な旋律が次第に空気を濃くしてゆく中で、ギターの長音が、会場の最も遠いところにまで何にも遮られることなく、真っ直ぐに伸びてゆく。この曲をよく知っている者、知らない者が、それぞれに、その 縹渺 たる響きに驚いた。  それがまるで一つの予告であったかのように、蒔野はその後、一曲ごとに、とても同じ一本のギターで弾いているとは思えないほどの多彩な表現で、次々と、新鮮な音楽的風景を現出させていった。  かつての一分の隙もない、あまりに完璧に律せられた世界とも違って、今はむしろ、音楽そのものに少し自由に踊らせて、それを見守りつつ、勘所で一気に高みへと導くような手並みの鮮やかさがあった。それもまた、長い〝スランプ〟の果てに、彼に生じた一つの変化だった。  聴衆の感嘆は、楽曲が終わる度に拍手に熱を加えていった。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon関連カテ演奏する・楽器を鳴らすギター・バイオリン・弦楽器コンサート会場
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受話器にじっと耳をあてていた。耳が受話器にはりついてとれなくなってしまうんじゃないかという気がするくらいしっかりとだ。
村上春樹 / ローマ帝国の崩壊・一八八一年のインディアン蜂起・ ヒットラーのポーランド侵入・そして強風世界「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
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