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季節と季節を繋ぐ糸は断ち切れても、なお一筋二筋、かすかに秋を繋ぎ止めているとでもいうような鳴き声で蟋蟀(こおろぎ)が聞える。
岡本 かの子 / 落城後の女「岡本かの子全集 (第3巻)」に収録 作品を確認(amazon)
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季節の変わり目、移り変わり
秋
蟋蟀(こおろぎ)
虫の音
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単語の意味
螽斯・蟋蟀(きりぎりす)
蟋蟀・蛼(こおろぎ)
螽斯・蟋蟀・・・1.キリギリス科の昆虫。形はイナゴ似。全体的に緑色で長い触角を持つ。雄は「チョンギース」と鳴く。ぎっちょ。
2.蟋蟀(こおろぎ)の古称。
2.蟋蟀(こおろぎ)の古称。
蟋蟀・蛼・・・1.コオロギ科の昆虫の総称。体はおもに黒褐色。長く発達した後ろ足を使って、よく跳ねる。雄は秋の夜に草むらや壁の隙間などで、コロコロと美しく鳴く。「蟋蟀」は「させ」「しっしゅつ」とも読み、意味は同じ。「きりぎりす」は古名。ちちろ。ちちろ虫。
2.エンマコオロギを指す場合もある。
2.エンマコオロギを指す場合もある。
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季節の変わり目、移り変わりの表現・描写・類語(時間・スピードのカテゴリ)の一覧 ランダム5
暦をめくるように、季節で貌(かお)を変える庭木や下草
向田 邦子 / 思い出トランプ amazon
ひとつの季節がドアを開けて去り、もうひとつの季節がもうひとつのドアからやってくる。人は慌ててドアを開け、おい、ちょっと待ってくれ、ひとつだけ言い忘れたことがあるんだ、と叫ぶ。でもそこにはもう誰もいない。ドアを閉める。部屋の中には既にもうひとつの季節が椅子に腰を下ろし、マッチを擦って煙草に火を点けている。もし言い忘れたことがあるのなら、と彼は言う、俺が聞いといてやろう、上手くいけば伝えられるかもしれない。いやいいんだ、と人は言う、たいしたことじゃないんだ。風の音だけがあたりを被う。たいしたことじゃない。ひとつの季節が死んだだけだ。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
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秋の表現・描写・類語(秋のカテゴリ)の一覧 ランダム5
十月も中旬を過ぎると、秋は一気に深まっていく。暑さなどどこにも残らなくなって、冬服でも肌寒い。
瀬尾 まいこ「そして、バトンは渡された (文春文庫)」に収録 amazon
秋はどんどん深まっていった。いつしか、息を深く吸い込むと冷たさで胸の奥が微かに痛むような季節になっていた。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
落ち続ける桜の葉が地面に落ちきる音さえ聞こえるような、晩秋の夜の静寂
連城三紀彦 / 形見わけ「棚の隅」に収録 amazon
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蟋蟀(こおろぎ)の表現・描写・類語(昆虫・虫のカテゴリ)の一覧 ランダム5
こおろぎが寒げに鳴いている
伊藤左千夫 / 野菊の墓
電球が鳴きだしたかと思われるような、すがれた蟋蟀(こおろぎ)の声
里見 トン / 極楽とんぼ―他一篇 amazon
秋やや深き蛼(こおろぎ)の音が淋し気にふと聞こえる
二葉亭 四迷 / 其面影 amazon
海老のような背をした、きたない蟋蟀(こおろぎ)
志賀 直哉 / 児を盗む話 (1948年) amazon
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虫の音の表現・描写・類語(昆虫・虫のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(みみず)暗い土の上に水のような色でも広がるように、じいいという煙のような声が立ち浸みている。
鈴木 三重吉 / 桑の実 amazon
川の音をかき消すほど、虫は大合唱だ。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
一筋二筋と糸のように残って聞えた虫の音
永井 荷風 / ぼく東綺譚 amazon
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「秋」カテゴリからランダム5
庭の朝顔の葉が弱まった日差しにカサカサと鳴って、秋の音を伝えだす
連城三紀彦 / 十三年目の子守唄「恋文」に収録 amazon
赤蜻蛉の羽がまるで銀の雨の降るように見えたんです。
泉 鏡花 / 縷紅新草 amazon
「昆虫・虫」カテゴリからランダム5
みいんみいんと暑くるしく蝉が啼きたてている。
林芙美子 / 新版 放浪記
耳の底で潮騒のように鳴り響いている蝉の声
光瀬 龍 / 百億の昼と千億の夜 amazon
両脚を挙げて腋の下を掻 くような模 ねをしたり手を摩 りあわせたり
梶井基次郎 / 冬の蠅
耳のあたりでちいさな歌をきいたように思ったので婦人がふりむくと、そこには一匹の蜂がけだるそうに飛んでいた
三島由紀夫 / 花ざかりの森 amazon
「時間・スピード」カテゴリからランダム5
1日の密度が濃くて、行く夏が悲しくて、 18 くらいの夏みたいだった。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
「あなたが葉書を書く未来も、書かない未来もあるということです。未来はいくつもの枝葉に分れています」
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
喫茶店や本屋で時間を潰したり、あてもなく歩き回ったり、何もせず駅のベンチにすわって行き交う人々を眺めていたりする。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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