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奉行所の仕事が終るのはたいてい 黄昏 刻 だった。 蝙蝠 が門と 樹 の間をかすめて、うるんだ紫色の空をかすめていく。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 ページ位置:85% 作品を確認(amazon)
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夕方
蝙蝠(こうもり)
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前後の文章を含んだ引用
......醜い双生児に似ていると、フェレイラの背中を見つめながらふと思う。おたがいその醜さを憎み、軽蔑しあい、しかし離れることのできない双生児、それが自分と彼とである。 奉行所の仕事が終るのはたいてい黄昏刻だった。蝙蝠が門と樹の間をかすめて、うるんだ紫色の空をかすめていく。乙名たちはそれぞれ眼くばせをしあい、自分たちが責任をもっているこの異人をつれて右、左に別れていく。歩きながら彼はそっとフェレイラをふりかえる。フェレイラもこちら......
単語の意味
黄昏(たそがれ)
蝙蝠(こうもり)
紫(むらさき)
黄昏・・・1.夕暮れ。夕闇。日が沈んで、月が出るまでの間の薄い暗闇。暗くなって顔の区別ができないので、「誰そ彼(たそかれ)」つまり「お前は誰か」と尋ねるのが由来。
2.ピークの状態を過ぎてだいぶ衰えたころ。
2.ピークの状態を過ぎてだいぶ衰えたころ。
蝙蝠・・・1.翼手目(よくしゅもく)の哺乳動物の総称。小型で顔はネズミに似ている。昼間は暗いところでぶら下がって休み、暗くなると前足を羽のように広げて飛び、虫を捕らえて食う。中には血を吸う者も。蝠の字が福に通じることから中国では縁起物とされる。
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2.情勢の変化を見てその時々の優勢な側に味方する者をののしっていう言葉。(鳥に似ていて鳥にあらず、獣に似ていて獣にあらずというところから)
3.「こうもりがさ」の略。西洋風の雨傘。洋傘。
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2.情勢の変化を見てその時々の優勢な側に味方する者をののしっていう言葉。(鳥に似ていて鳥にあらず、獣に似ていて獣にあらずというところから)
3.「こうもりがさ」の略。西洋風の雨傘。洋傘。
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夕方の表現・描写・類語(時間帯(朝・昼・夜)のカテゴリ)の一覧 ランダム5
その時、夕暮れ特有の、風景が黄金色一色に染まる一瞬が訪れて、ユニフォームも二人の背中も空も風も、全部が色の底に沈み込んでいった。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
夕方はあっけなくやってきて、あたりをみんな濃いブルーと金にふちどる。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
夕焼けのほとぼりに映えた宵空が、切り紙細工のような屋根の黒さをくっきり浮き出している
永井 龍男 / コチャバンバ行き amazon
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蝙蝠(こうもり)の表現・描写・類語(鳥類のカテゴリ)の一覧 ランダム5
コウモリの群れが、魔法のジュウタンのように上空を渡る
本多 勝一 / きたぐにの動物たち amazon
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人通りのない朱雀 の大路 を、二人は静かに馬を進めて行った。兄も黙っていれば、弟も口をきかない。しんとした夜は、ただ馬蹄 の響きにこだまをかえして、二人の上の空には涼しい天の川がかかっている。
芥川龍之介 / 偸盗
空が白み、雲が流れ、鳥が鳴き、新しい一日が腰を上げて、この惑星に住む人々の意識を拾い集め始める
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
朝の淡い光が窓のカーテンを染め、タフな都会の鳥たちが目を覚まして一日の労働を始める
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
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ツチョツチョツ、チュル……行々子 が囀 る。
宮本百合子 / 伸子
尾の黒い野鳥がすきとおるような声で鳴きつづけていた
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
七面鳥は首を上げて気むずかしい老人のような目で僕を睨みつけ
村上 春樹 / ノルウェイの森 上 amazon
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