(貧乏街の中の踊り場)垢でもろけた家並の中に、まるで金の入歯をしたようにバル・デ・トロア・コロンヌだとか、バル・デ・ファミイユだとか、メイゾン・バルとか言うような踊り場が挟まっていた。
岡本かの子 / 巴里祭 ページ位置:81% 作品を確認(青空文庫)
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前後の文章を含んだ引用
......を小意気に摘 み上げ、拡げた傘で調子を取り、二人から斜めに先に立って歩いて行った。立籠めた泥水の臭いとニンニクの臭いとを彼女の派手な姿がいくらか追い散らした。此の垢でもろけた家並の中に、まるで金の入歯をしたようにバル・デ・トロア・コロンヌだとか、バル・デ・ファミイユだとか、メイゾン・バルとか言うような踊り場が挟まっていた。ニスで赧黒く光った店構えに厚化粧でもしたような花模様が入口のまわりを飾っていた。毒々しいネオンサインをくねらせた飾窓の硝子には白墨で「踊り無料」と斜に走り書きが......
単語の意味
垢(あか)
垢・・・皮膚の上の、汗やほこり、脂が交じってできる汚れ。
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