ザクザクと気持ちよい音をたてて粗い菜の漬け物を食べていた。
阿刀田 高 / 白い歯「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 ページ位置：18% 作品を確認（amazon）
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漬物
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......って、季節になるといつも漬け物を送って寄こす。「ああ、そう」「とてもいい塩加減。おいしいわ」 則子はもう先に夕食をすませたらしいが、それでも番茶をすすりながら、ザクザクと気持ちよい音をたてて粗い菜の漬け物を食べていた。みるみる大きな皿に盛った菜の葉が減っていく。 妊産婦の食欲はすごい、と聞いていたが則子もよく食べた。新しい生命を作るためとはいえ、こうしてボリボリと貪欲にかき込......
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小さいきゅうりの甘く漬けたのではなく、大きいきゅうりがあっさりと辛口につけてあり、かじるとガリガリかたい、家庭で作ったピクルスだ。
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