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人々が寝しずまってみると、憤怒 の情はいつか消え果てて、いいようのない寂寞 がそのあとに残った。
有島武郎 / 或る女(後編) ページ位置:59% 作品を確認(青空文庫)
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荒れた気持ちが穏やかになる
夜のしじま(静けさ)
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前後の文章を含んだ引用
......をばかにしきったような、それでいて聞くに堪 えないほどさびしい響きが潜んでいた。ほう、ほう……ほう、ほうほうと間遠 に単調に同じ木の枝と思わしい所から聞こえていた。人々が寝しずまってみると、憤怒 の情はいつか消え果てて、いいようのない寂寞 がそのあとに残った。 葉子のする事いう事は一つ一つ葉子を倉地から引き離そうとするばかりだった。今夜も倉地が葉子から待ち望んでいたものを葉子は明らかに知っていた。しかも葉子はわけのわ......
単語の意味
憤怒(ふんど)
寂寞(せきばく)
憤怒・・・とても怒ること。「ふんぬ」とも読む。
寂寞・・・人気がなくて、寂しい感じ。心が満たされず寂しい感じ。寂寥。
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荒れた気持ちが穏やかになるの表現・描写・類語(安心するのカテゴリ)の一覧 ランダム5
それまでわたしの中に絶え間なく流れ、漣(さざなみ)のように押し寄せては引いていった何かが、その時、ふと透明な、うす青い氷のようになって、わたしの中で静まり返り、ぴたりと収まるべきところに収まったのを感じた。 その氷は冷たくはなかった。おかしな言い方かもしれないが、それは決して氷結しない、限りなく水や液体に近い氷だった。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
今日の天気のようにうららかな気分でありたい。
谷崎潤一郎 / 蓼喰う虫 amazon
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ただ静かすぎる夜中だった。墓場みたいに、荒涼とした空気だけがあった。夢からさめた惨めな空間の 残骸 があった。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
街はしんとしていて、目を覚ましているのは自分だけなような気がした。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
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「時間帯(朝・昼・夜)」カテゴリからランダム5
町々は、夜になると、ひっそりと暗い闇につつまれてしまう。 古い京の町が、そのまま闇の中に息づいてい、細い道には車も人も通らず、人声も絶えてしまう。 そこに私は、むかしの江戸の町の夜の姿を感じることができる。
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
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どうやら平穏にすんだという安心感が胸いっぱいに拡がってくる。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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