藻や太藺 が風の狼藉の跡に踏みしだかれていた。
岡本かの子 / 金魚撩乱 ページ位置:92% 作品を確認(青空文庫)
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草木のざわめき
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前後の文章を含んだ引用
......層が大きな横縞 になっていた。崖端のロマネスクの休亭は古城塞 のように視覚から遠ざかって、これ一つ周囲と調子外れに堅 いものに見えた。 七つ八つの金魚は静まり返って、藻や太藺 が風の狼藉の跡に踏みしだかれていた。耳に立つ音としては水の雫の滴 る音がするばかりで、他に何の異状もないように思われた。魯鈍 無情の鴉 の声が、道路傍の住家の屋根の上に明け方の薄霧 を綻 ばして過ぎた。 大......
単語の意味
踏み拉く(みふしだく)
踏み拉く・・・踏みつぶして荒れた状態にする。踏みつぶして形をくずす。
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草木のざわめきの表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
樹々の葉が砂のように乾いた音をたてて鳴る
遠藤 周作 / 沈黙 amazon
木の葉がしゃらしゃら擦れる音。
宮下 奈都「羊と鋼の森 (文春文庫)」に収録 amazon
くさむらが風の通り跡を印して穂先を倒し、けもののように動いていた。及川隆一の視線が、その獣の背中の毛のようにきらめく雑草の拡がりから、何か不可解な動揺を、彼の脳髄につたえる。草むらは次々と穂先をひるがえして、波を送る。
野間 宏 / 崩解感覚「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
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「音の響き」カテゴリからランダム5
長靴の音をたてて出て行った。
野間 宏「真空地帯(新潮文庫)」に収録 amazon
すべてが一瞬無音になったあと、私も隆大も固唾を呑んで言葉を発しないから、となりのテーブルや離れたテーブルから女の子の笑い声や話し声が耳に入ってくる。
綿矢 りさ / かわいそうだね?「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
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堤防の上の葉ざくらの深い緑が眼を射る
尾崎 士郎 / 人生劇場 青春篇 amazon
胡桃の新芽はなかなかいい。かっちりした精巧な銅版画を見るような気分
がする
小沼 丹 / 胡桃「小沼丹全集〈第3巻〉」に収録 amazon
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