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象舎の扉に巻かれたチェーンは密林の中で朽ち果て廃墟と化した王宮をしっかりと守っている大きな蛇を思わせた。たった数ヵ月の象の不在は、ある種の宿命さえをも思わせる荒廃をその場所にもたらし、雨雲のような重苦しい空気をそこに漂わせていた。
村上 春樹 / 象の消滅「新装版 パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 ページ位置:48% 作品を確認(amazon)
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廃墟・廃屋・瓦礫の山
閉ざされた扉(門・窓)
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前後の文章を含んだ引用
......の上に鳩の一群が羽を休めているのが目につくだけだった。広場の手入れをするものもなく、そこにはまるでチャンスを待ちかねていたように緑の夏草が生い茂りはじめていた。象舎の扉に巻かれたチェーンは密林の中で朽ち果て廃墟と化した王宮をしっかりと守っている大きな蛇を思わせた。たった数ヵ月の象の不在は、ある種の宿命さえをも思わせる荒廃をその場所にもたらし、雨雲のような重苦しい空気をそこに漂わせていた。 僕が彼女に出会ったのは九月も終りに近づいた頃だった。その日は朝から晩まで雨が降りつづいていた。その季節によく降るような細くてやわらかで単調な雨だった。そんな雨......
単語の意味
荒廃(こうはい)
蛇(へび)
荒廃・・・役に立たないほどボロボロな状態にあること。
蛇・・・ひょろ長い筒状で足がないという独特の姿の爬虫類の総称。鱗(うろこ)でおおわれた体をくねらせて進む。先が二分した長い舌を持つ。脱皮を繰り返し、毒を持つものも多い。不吉なもの、執念深いものとして嫌悪の対象となる場合が多いが、一方で、神やその使いとして信仰する場合もある。
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ほとんどの窓は錆付いたようにぴったりと閉じられ、わずかに開いた窓からは色あせたカーテンがのぞいていた。
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
(使われていないマンション)おおきなお墓
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
陰気なじめじめした家が、普通の通行人のための路ではないような隘路 をかくして、朽ちてゆくばかりの存在を続けている
梶井基次郎 / ある崖上の感情
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閉ざされた扉(門・窓)の表現・描写・類語(室内のようすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
見飽きたボロ扉が何やらぶ厚い壁のように感じられ、入るのに幾ばくかの勇気を必要とした。
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
あの男と同じように固く玄関は口をつぐんでいる。
林芙美子 / 新版 放浪記
部屋には鍵が掛かっていた。ノブを両手で握り、回したり、押したり、引いたり、考えつくあらゆる方向に動かそうとしたがだめだった。
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
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(表札)能筆が自慢の重役が贈ってくれた大きな表札は、雨風に 晒されささくれて、履き古しの下駄に見えた。
向田邦子 / はめ殺し窓「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
(広間には、)西洋式の甲冑やら象牙やら鹿の剥製やらが飾られ、住人の趣味の悪さをこれでもかと誇示している。
東川 篤哉 / 謎解きはディナーのあとで amazon
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電気を消した寝室にキムチの匂いがうっすら漂っていた
吉本ばなな / とかげ(キムチの夢) amazon
南側の窓からさし込む光線を眩 しく反射して、この部屋の厳粛味を一層、高潮させているかのようである。
夢野久作 / ドグラ・マグラ
宿直室みたいな四畳半の部屋
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
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