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(ピアノの調律)最初はただの音だったのに、板鳥さんが調律し直した途端に、艶が出る。鮮やかに伸びる。ぽつん、ぽつん、と単発だった音が、走って、からまって、音色になる。ピアノって、こんな音を出すんだったっけ。葉っぱから木へ、木から森へ、山へ。今にも音色になって、音楽になっていく、その様子が目に見えるようだった。
宮下 奈都「羊と鋼の森 (文春文庫)」に収録 ページ位置:33% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
......吹いて。 ぼやけていた眺めの一点に、ぴっと焦点が合う。山に生えている一本の木、その木を覆う緑の葉、それがさわさわと揺れるようすまで見えた気がした。 今もそうだ。最初はただの音だったのに、板鳥さんが調律し直した途端に、艶が出る。鮮やかに伸びる。ぽつん、ぽつん、と単発だった音が、走って、からまって、音色になる。ピアノって、こんな音を出すんだったっけ。葉っぱから木へ、木から森へ、山へ。今にも音色になって、音楽になっていく、その様子が目に見えるようだった。 自分が迷子で、神様を求めてさまよっていたのだとわかる。迷子だったことにも気づかなかった。神様というのか、目印というのか。この音を求めていたのだ、と思う。この音......
単語の意味
艶(つや)
艶・・・1.物の表面に感じられる、なめらかで、美しく光る印象。
2.声などに張りがありなめらかで美しいこと。
2.声などに張りがありなめらかで美しいこと。
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グランド・ピアノがあって、派手なピンクのワンピースを着た女の子がアルペジオとシンコペーションで埋めつくされた典型的なホテルのコーヒー・ラウンジ型の演奏をしていた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
(おもちゃのピアノ)乱暴に叩けばひずんで濁った音がするが、幼児のちっちゃな手が無心に触れると、グラスを弾いたような高く澄んだ響きを立てることもあるのだった
阿部昭 / 阿部昭18の短篇(人生の一日) amazon
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子供たちがダユのようにへばりついている。
安部 公房 / 他人の顔 amazon
ホンヤクと云う事は飯を煮なおして、焼飯にする事かな。
林芙美子 / 新版 放浪記
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音律不たしかな切な屁(へ)のような歌
幸田 露伴 / 連環記 amazon
バンドの音楽が休憩になって、人々の話すざわめきが波音に混じって流れ始めた。
吉本 ばなな「アムリタ(上) (新潮文庫)」に収録 amazon
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