名も知らぬ大きな樹木が道に心地よさそうな陰をつくり、 爽やかな音をたてて葉をならしていた。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 ページ位置:38% 作品を確認(amazon)
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草木のざわめき
樹木・木々
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......押してきた。無理に笑顔をつくり、少し休ませてくれと言ったが、男は、顔を強張らせたまま首をふった。陽の光る畠には肥の臭いが一面に漂い、雲雀が楽しそうに囀っている。名も知らぬ大きな樹木が道に心地よさそうな陰をつくり、爽やかな音をたてて葉をならしていた。畠をつらぬく道が次第に細くなり、裏山に向うと山に入る片側の小さな窪地に小枝を集めて作った小屋がみえた。小屋の影がくっきり黒く、粘土色の地面に落ちている。野良着を......
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草木のざわめきの表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
ザ、ザ、ザッ――と野分のように、男女のうしろで、草が鳴った。
吉川英治 / 野槌の百
樹々の葉が砂のように乾いた音をたてて鳴っています。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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樹木・木々の表現・描写・類語(植物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
北の国ではどの樹も、細く薄くはかない葉を、抗議のように空へ向けて差しのべる
中島 みゆき / 泣かないで・女歌(おんなうた) amazon
(エゾマツの)幹に耳を当てると、根が水を吸い上げる音がかすかに聞こえる。
宮下 奈都「羊と鋼の森 (文春文庫)」に収録 amazon
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「音の響き」カテゴリからランダム5
岩を噛む波の音が嵐のように凄まじく聞こえる
円地文子 / 女坂 amazon
貯水タンクに叩きつける雨の音はまるで太鼓の音のよう
宇野千代 / 色ざんげ amazon
「植物」カテゴリからランダム5
米をまいたように、こでまりの花が散り
林 芙美子 / 河沙魚 amazon
少し舌を出しかけたような白い辛夷(こぶし)が、にわかにぱっと開いて
長塚 節 / 土 amazon
赤い花がクリスタルの小さい一輪ざしに飾られていた。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
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