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瞬き始めた空に花火が咲いた。一つ、二つ。九時から予定されている本格的な打ち上げの、前座みたいな花火だった。赤一色だけの火の花は、すぐに萎れて消えた。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 ページ位置:59% 作品を確認(amazon)
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打ち上げ花火
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......女心なんてわかんないのよ」「乙女だって」 吹き出したのは、真央だった。ほんとに、あたしの周りには、ろくな男が生息していない。 嘆くつもりで顔を上に向けた時、星が瞬き始めた空に花火が咲いた。一つ、二つ。九時から予定されている本格的な打ち上げの、前座みたいな花火だった。赤一色だけの火の花は、すぐに萎れて消えた。「うぉっ、花火だ」 如月が口にリンゴ飴をくわえて、拍手する。つられたのか、沿道の人々の中からも、まばらな拍手がおこった。「ちょっと、恥ずかしいでしょ。幼稚園児じ......
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