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こんな生きる責務の重い世の中へ親あればこそ生れ来たった子。この世に出ようという意志が子にあって、自ら進んで出て来たわけでもないものを、親は先 ず本能愛以外の明瞭 な責任観念からも、この世に於ける子の運命の最大責務者とならなければならない。
岡本かの子 / 母子叙情 ページ位置:81% 作品を確認(青空文庫)
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親としての愛情
親子関係
子供が生まれる・産声
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......かくもわが子とは云え、一人立派に成長した男子を今や完全な幸福感に置いている――それでまた親の責務の一端が肩から降りた気もするのである。かの女はいつも思っている。こんな生きる責務の重い世の中へ親あればこそ生れ来たった子。この世に出ようという意志が子にあって、自ら進んで出て来たわけでもないものを、親は先 ず本能愛以外の明瞭 な責任観念からも、この世に於ける子の運命の最大責務者とならなければならない。その子に仕合せと一言でも感謝されるまでには、幾多の親の責任感と切実な哀憐 が子に送られた結果なのである。そしてそれはまた、子に責任感を十分感じる親の報いられたる幸......
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いつか成人して仕舞ったむす子の生命力の強さに驚かれる。
岡本かの子 / 母子叙情
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親子の関係が、いつも緊張を孕んだ情愛のなかの秤(はかり)のように懸かっている
辻井 喬 / 暗夜遍歴 amazon
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空気をはりさくような産声(うぶごえ)
林 房雄 / 青年 (1964年) amazon
(赤んぼうの生まれた家。家は)なまぬくいお櫃の蓋を取ったときのような、 饐えた匂いがする。赤子のおむつのせいか乳の匂いなのか。
向田邦子 / 男眉「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
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お店に入ってもどの服を買うかすぐに決められなくて、熟考しているうちにお目当てが売り切れてしまうタイプの私だけれど、中学二年生の教室ではたくさんのクラスメイトがいるなかで、イチを見つけたとたん、すらりと好きになり、心のなかで即決で彼を買った。
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
神のごとく敬 い
夏目漱石 / 吾輩は猫である
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いつもその前に人だかりがして群衆の囁 きの瘤 を作っている
岡本かの子 / 母子叙情
人間たちを、ひとかけらのパン切れをかついでまわる蟻のようにこき使う
大庭 みな子 / がらくた博物館 amazon
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唇の色が青インキをつけたように、ハッキリ死んでいた。
小林多喜二 / 蟹工船
死相は、黄ばんだ肌の上にも、薄くなった鼻すじにも、色濃く漂っていた
武田泰淳 / 蝮のすえ amazon
綿屑のようにころがる死骸
阿部 昭 / 千年 amazon
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