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(地味な友人がハデな格好をしていたので一瞬気付かない)彼女が、目に映るその画像と、私の知っている、捜していた彼女の絵とのずれがシンクロした瞬間、妙な快感があった。 私の目がとらえた、初めてのはずの見知らぬ人物。そこに知っている目鼻がものすごい速度の判断でぱちっとはまったのだ。 間違いさがしの答えが見つかった瞬間みたいだった。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:41% 作品を確認(amazon)
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化粧・白粉をした顔
面影
派手な人
変わり果てる・面影がない
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前後の文章を含んだ引用
......な唇、真っ赤なマニキュアで私に向かってほほえんで手を振っていた。 店のおやじに声をかけられて思考が中断し、挨拶を返してから再び店内を見たとき、まだほほえんでいた彼女が、目に映るその画像と、私の知っている、捜していた彼女の絵とのずれがシンクロした瞬間、妙な快感があった。 私の目がとらえた、初めてのはずの見知らぬ人物。そこに知っている目鼻がものすごい速度の判断でぱちっとはまったのだ。 間違いさがしの答えが見つかった瞬間みたいだった。ハデになるということは、輪郭がはっきりしていて「濃くなる」ということだ。その濃い印象の後ろに、鉛筆でうすく描いた下書きみたいに、知っている栄子がいた。「久しぶり......
単語の意味
妙(みょう)
快感(かいかん)
妙・・・とてもいい。非常に優れている。または、不思議、奇妙なこと(さま)。
快感・・・快(こころよ)い感じ。満ち足りた感じ。いい気持ち。
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化粧・白粉をした顔の表現・描写・類語(顔のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(おしろいを塗りたくって)まるで粉桶から飛び出したようだ。
徳田 秋声 / 足迹 amazon
(厚化粧)この店の照明の暗さでも、一目で化粧品の美容部員だと分かりました
綿矢 りさ / 亜美ちゃんは美人「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
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面影の表現・描写・類語(人の印象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
そこに写っている三つばかりの幼児の面影から、アトリエに眠っていた少女の印象をたぐり出そうとするのであったが《…略…》どうにもつなぎ合せようのないはめ絵のように、ぴったりしないのであった。
横山 美智子 / R夫人のサロン「静かなる奔流 (1947年)」に収録 amazon
あなたのお母さんが、昔みたいな表情で笑ったりすると、くらっとすることがあるの、長い時間の重みを感じるのね。《…略…》まるで旗がひらひらとはためくように、母の顔の中で過去と未来がいれこになって、まぶしく混じりあうことがある
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
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派手な人の表現・描写・類語(人の印象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
宵闇の街に立っていても彼女は派手で、浮いていた。黒いスーツを着て、雑踏に紛れていても、何か切実な、それでいてさりげないものをかもしだしていた。 表現している、と私は思った。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
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変わり果てる・面影がないの表現・描写・類語(状態・状況のカテゴリ)の一覧 ランダム5
むかしをしのばせるものは、何ひとつ残っていない。
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
すっかり様変わりしてしまって、昔を 偲ぶ 縁 すらなかった。
浅田次郎 / 伽羅「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
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「顔」カテゴリからランダム5
顔一面に刷毛(はけ)ではいたようにへばりついている脂
宮本 輝 / 夢見通りの人々 amazon
こってり化粧をしていた。
梶井基次郎 / 城のある町にて
「化粧」カテゴリからランダム5
お化粧すると、一枚ずつ薄皮がはがれて、きれいなあたしが現れてくるようで嬉しかった。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
高価な香水をシャワーを浴び直すみたいに使いやがって。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
「人の印象」カテゴリからランダム5
「状態・状況」カテゴリからランダム5
髑髏(どくろ)の眼窩(がんか)のような、不気味な感じを与える穴。
堀田 善衛 / 鬼無鬼島 amazon
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