TOP > 人物表現 > 言葉を交わす > 声が出ない(出にくい)・うまく話せない

TOP > 暮らしの表現 > 健康・体調・病気 > 心の病気(ノイローゼ)

TOP > 人物表現 > 言葉・話 > その他の言葉

TOP > 感情表現 > 緊張


カテゴリ検索 単語の意味
しゃべれなくなって2日間くらいは、私はしゃべれたときとまったく同じ思考をしていた。たとえば、姉に足を踏まれれば、「痛い。」とはっきり言葉で思った。TVに知っている場所が映れば、「あ、ここはあそこだわ、いつロケしたんだろう。」とまるで口に出しているように思った。  それを音声にしないことで、微妙な変化が起こってきた。言葉の後ろに広がる色が見えてきたのだ。  姉が私に優しく接しているとき、私は姉をピンクの明るい光のイメージでとらえた。英語を教える母の言葉やまなざしは、落ち着いた金色、道端で猫を 撫でれば、手のひらを通して山吹色の喜びが伝わってきた。  そう感じて生きていると、言葉の持つ強烈な限定性が押しつけがましく思えた。  まだ幼かったから、肌身で知ったのだろう、私はそのときはじめて表現するはしから逃げてゆく言葉というものに、深い興味を持ったのだ。瞬間と永遠を同時に含む道具。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 ページ位置:10% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
声が出ない(出にくい)・うまく話せない 心の病気(ノイローゼ) その他の言葉
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......と放っておいてくれたおかげでだんだん元気になってきた。学校を休んで昼間家にいて、早朝や夜に出歩いた。 口をきかない自分、というのは言葉を失ってゆくことだった。 しゃべれなくなって2日間くらいは、私はしゃべれたときとまったく同じ思考をしていた。たとえば、姉に足を踏まれれば、「痛い。」とはっきり言葉で思った。TVに知っている場所が映れば、「あ、ここはあそこだわ、いつロケしたんだろう。」とまるで口に出しているように思った。 それを音声にしないことで、微妙な変化が起こってきた。言葉の後ろに広がる色が見えてきたのだ。 姉が私に優しく接しているとき、私は姉をピンクの明るい光のイメージでとらえた。英語を教える母の言葉やまなざしは、落ち着いた金色、道端で猫を撫でれば、手のひらを通して山吹色の喜びが伝わってきた。 そう感じて生きていると、言葉の持つ強烈な限定性が押しつけがましく思えた。 まだ幼かったから、肌身で知ったのだろう、私はそのときはじめて表現するはしから逃げてゆく言葉というものに、深い興味を持ったのだ。瞬間と永遠を同時に含む道具。 治ったのもまた、突然だった。 その日は雨で、私と、学校から帰ってきた姉は2人でこたつに入って母の帰りを待っていた。私は寝転んで、眠るでもなく雑誌を読む姉のほう......
単語の意味
肌身(はだみ)
手の平・掌(てのひら)
足・脚・肢(あし)
猫(ねこ)
永遠(えいえん・とわ)
肌身・・・はだ。体。身体。
手の平・掌・・・手首から先の、物を握ったときに内側になる面。掌(たなごころ)。
足・脚・肢・・・1.動物の胴体の下から左右に分かれて伸びている部分で、歩いたり体を支えるのに用いる部位。とくに、足首から下の部分をさすこともある。
2.台を支える棒状の部分。物の本体を支える、突き出た部分。また、地面に接する部分や、物の下や末端部分。「テーブルの足」
3.歩くこと。走ること。また、その能力。「足が速い選手」
4.行くこと。また、来ること。また、そうするための手段や乗り物。「客の足がとだえる」「足の便がいい」
5. 餅(もち)などの粘り。こし。
6.損失。欠損。借金。また、旅費。
7.その他、足の形や動きから連想されできた表現として、
・食べ物の腐りぐあいや、商品の売れ行き。「足がはやい」
・(脚)漢字を構成する部分で、上下の組み合わせからなる漢字の下側の部分。「照」の「灬(れっか)」、「志」の「心(したごころ)」など。
・雨や雲、風などの動くようす。「細い雨の足」
・(足)過去の相場の動きぐあい。
・・・1.ネコ科の哺乳動物の総称。形は虎に似て、柔軟な体や出入り自由な爪、鋭い感覚のひげを足を持つ。暖かいところを好み、鼠(ねずみ)をよく捕るとされる。
2.(猫の皮を胴張りに用いるところから)三味線の異称。
3.猫車(ねこぐるま)の略。
4.猫火鉢(ねこひばち)の略。
5.ふいごの内側についていて、空気の出る孔をふさぐ革。
永遠・・・ある状態が果てしなく続くこと。物事が変化しないこと。無窮(むきゅう)。永久(えいきゅう)。
ここに意味を表示
声が出ない(出にくい)・うまく話せないの表現・描写・類語(言葉を交わすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
絞りだすような音だけがかすかにもれた。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
心の病気(ノイローゼ)の表現・描写・類語(健康・体調・病気のカテゴリ)の一覧 ランダム5
このカテゴリを全部見る
その他の言葉の表現・描写・類語(言葉・話のカテゴリ)の一覧 ランダム5
言葉が、秋の野分のように心を吹いて過ぎる
柴田 翔 / されどわれらが日々― amazon
春の雪解け水のように流れて行く言葉の流れ
小島 信夫 / アメリカン・スクール amazon
小川の囁きのような清潔な美しい言葉の流れ
小島 信夫 / アメリカン・スクール amazon
このカテゴリを全部見る
「言葉を交わす」カテゴリからランダム5
「緊張」カテゴリからランダム5
「言葉・話」カテゴリからランダム5
蟻のようにこまかい字
壺井 栄 / 二十四の瞳 amazon
丁寧でまるみのある読みやすい字
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
「健康・体調・病気」カテゴリからランダム5
病気以来、自分の身体を爆薬のように怖れる
円地 文子 / 朱(あけ)を奪うもの amazon
カテゴリ検索 単語の意味
同じカテゴリの表現一覧
言葉を交わす の表現の一覧 
緊張 の表現の一覧 
言葉・話 の表現の一覧 
健康・体調・病気 の表現の一覧 
人物表現 大カテゴリ
表現の大区分