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(音楽鑑賞)バッハの無伴奏チェロ組曲第三番だった。 軽やかに高いソの音から音階を駆け下りてくるプレリュードの冒頭が、彼女の胸に、明るく澄んだ光をすっと差し込んで、しばらくその存在を音楽で独占した。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 ページ位置:15% 作品を確認(amazon)
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音楽
演奏する・楽器を鳴らす
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前後の文章を含んだ引用
......熱的な勤行が支配している毎日々々の仕事場」へと、粛々と復帰するのだろうか? 洋子は、少し体を起こして、枕元のリモコンでCDを再生した。蒔野の二十代後半の演奏で、バッハの無伴奏チェロ組曲第三番だった。 軽やかに高いソの音から音階を駆け下りてくるプレリュードの冒頭が、彼女の胸に、明るく澄んだ光をすっと差し込んで、しばらくその存在を音楽で独占した。 ギターのためにハ長調からト長調に移調されている。それだけでも随分と印象が違った。 カザルスに始まって、ロストロポーヴィッチ、フルニエ、マイスキー、……と、彼女......
単語の意味
胸(むね)
暫く・姑く・須臾(しばらく)
暫く・姑く・須臾・・・1.長いと感じるほどではないが、すぐともいえないほどの時間。ちょっとの間。一時的。
2.ちょっと待った!
2.ちょっと待った!
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楽器の音が奇妙にゆがんだり震えたりして、だんだん大きく膨れ上がっていく
三浦綾子 / 石の森 amazon
小屋に灯がともるように音楽がはじまる
五木寛之 / 海を見ていたジョニー amazon
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(ギター演奏)「郷愁」という副題を持つ第一楽章の内省的なプレリュードを、蒔野は、感傷を持て余して、時の流れの中で立ち往生しているような、躊躇いがちな性急さで演奏した。アルペジオのトップノートが、目の前の現実とかつての記憶とを、玉突きするように継いでゆく 謐 々 とした旋律。その足許で、なし崩しに過去へと 熔け落ちてゆく今。第二楽章の宗教的アンダンテは、荘厳なミサに託された祈りの行方を、聖堂の遥か彼方の天井の反響に探って、最後は 瞑目 するようなハーモニクスで、第三楽章のアレグロへと至る。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
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会場は真夜中の墓場のように静まりかえった。
井上 ひさし / ブンとフン amazon
(道を進んでいくと)水のせせらぎが高まって来た。それは壁越しに聞く人の 呟きのように、ひそやかで、しめやかで、親しげであった。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 amazon
薄い壁をとおして隣室からテレビ番組の音声が聞こえてきた。細かい台詞までは聞き取れないが、お笑い番組らしく、十秒か十五秒置きに聴衆の笑い声が聞こえた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
あたりの賑わしさを頭から叩き伏せるように力ずくの音楽が破裂している。
岡本かの子 / 巴里祭
「動作・仕草・クセ」カテゴリからランダム5
一かけの泥のかたまりのやうになってころがる
宮沢賢治 / ひかりの素足
(照れ笑い)口は輪ゴムみたいに丸くゆるんで、顔を赤くして笑っている。
綿矢 りさ / 蹴りたい背中 amazon
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