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私はちょっと泣いていた。もしここが海辺でなかったら、その不在の強烈さはこんなに強く襲ってこなかっただろう。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 ページ位置:98% 作品を確認(amazon)
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喪失感(大切なものを失う)
海岸・砂浜・波打ち際
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......」「どうりであそこだけ文体が全然違うと思った。」「言うなよ。」「咲? 萃?」「誰にも、どっちにも。」「萃にはもう会えないのよ。何がポストよ。」「泣いてるの?」 私はちょっと泣いていた。もしここが海辺でなかったら、その不在の強烈さはこんなに強く襲ってこなかっただろう。別れるためだけにいっしょにいた夏。あとに残って続いてゆく友達。でも、あのひとにはもう会えない。もう午後に電話がかかってくることもない。「泣くなよ、僕も泣きたくな......
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喪失感(大切なものを失う)の表現・描写・類語(悲しみのカテゴリ)の一覧 ランダム5
このぼんやりと白い、明るい闇の中で息をひそめて、チャンネルの違う空間から 淋しく見ているのではないか
吉本ばなな / サンクチュアリ「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
謙作 はその冬、初めての児を失い、前年とは 全 で 異 った心持で、この春を過して来た。都踊も八重桜も、去年はそのまま楽しめたが、この春はそれらの奥に何か不思議な淋しさのある事が感ぜられてならなかった。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
(喪失感をまぎらすためにジョギングを始めた私と亡くなった彼女のセーラー服を着て過ごす柊という男)彼のセーラー服は私のジョギングだ。全く同じ役割なのだ。私は彼ほど変わり者でないので、ジョギングで充分だっただけのことだと思う。彼はそのくらいでは全くインパクトに欠けて自分を支えるにはもの足りないのでバリエーションとしてセーラー服を選んだ。どちらもしぼんだ心にはりを持たせる手段にすぎない。気をまぎらわせて時間をかせいでいるのだ。 私も柊もこの二カ月で、今までしたことのない表情をするようになった。それは失ってしまったものを考えまいと戦う表情だった。ふっと思い出して突然に孤独が押してくる闇の中に立っていると知らず知らずのうちにそういう顔になってしまうのだ。
吉本 ばなな / ムーンライト・シャドウ「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
哀惜のようなものがこみ上げ、胸をしめつけられた。
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 amazon
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海岸・砂浜・波打ち際の表現・描写・類語(水面・水中・水辺のカテゴリ)の一覧 ランダム5
砂浜の汚い藻 の上をふんで歩いている
林芙美子 / 新版 放浪記
ドームのように広い空、海。ただ西日を眺め、恋人を横に置き、犬のようにこの美しい空気にしっぽを振っている。そういう気分。 祝福、 された時間だ。 夕日が沈むまで、ただ眺めていた。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
暗い海が波の激しい音をたてているのだけが新鮮だった。白く泡立つ波打ち際。濃い潮の香り、ざらざらした砂の感触。静かに息づいているぐるりと遠い水平線。ちらちらと光る海辺の街明かり。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
湾曲した海岸線に沿って並ぶ外灯と街明かりが、コンパスで描いた弧のように数キロも連なる
泉 優二 / さよならと言ってくれ amazon
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「悲しみ」カテゴリからランダム5
このぼんやりと白い、明るい闇の中で息をひそめて、チャンネルの違う空間から 淋しく見ているのではないか
吉本ばなな / サンクチュアリ「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
のみじめさは大したことではないのだが、抜けない棘のように人生にささるたぐいのもの。まわりの人はみんな忘れてもどうしてか本人は忘れられない、そういうもの。
よしもとばなな / 銀の月の下で「まぼろしハワイ」に収録 amazon
「生と死」カテゴリからランダム5
自殺者の霊は天国へ行けない。ずっと苦しいときのまま時間が止まっている
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
絶望し切って、首でも吊ってしまいかねない。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
(解剖を終えて、)後は縫合するだけだった。空になった胸腹部に、折りたたんで丸めて新聞紙を入れてボリュームを持たせ、縫い合わせていく。頭部も同様に動揺に縫うと、全身をきれいに洗って浴衣を着せた。はらわたが抜かれた分、解剖前より痩せて見える。
鈴木 光司 / らせん amazon
亡くなった者に対する思慕も、音のない鐘をたたくようなもので、相手からの反応がない
林 芙美子 / うず潮 (1964年) amazon
「水面・水中・水辺」カテゴリからランダム5
波が砕け散って、波頭が白い城壁のよう
西木 正明 / 『幸福』行最終列車 amazon
黒い波が押しよせては引く暗い音が、砂のようにもの憂く響いている。
遠藤 周作 / 海と毒薬 amazon
トモギ村らしい集落がその海べりに、まるで 牡蠣 のようにしがみついています。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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