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(貧乏街)ただくすぼれて、口をいびつに結んで黙りこくってしまったような小さい暗い家が並んでいた。
岡本かの子 / 巴里祭 ページ位置:80% 作品を確認(青空文庫)
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前後の文章を含んだ引用
......が入用だった。彼女は猶予なく返事した。
――奇抜ね。それが本当に面白いわ。」
 彼女は新吉の腕を引き立てゝ人を掻き分けながらルュ・ド・ラップの横町へ入って行った。  ただくすぼれて、口をいびつに結んで黙りこくってしまったような小さい暗い家が並んでいた。漆喰壁しっくいかべには蜘蛛の巣形に汚点しみびついていた。どこの露地からも、ちょろ/\流れ出る汚水が道の割栗石のくぼみを伝って勝手に溝を作って居る。それに雨のしずくの集りも加わって......
単語の意味
燻る・燻ぶる・燻ぼる(くすぶる・くすぼる)
燻る・燻ぶる・燻ぼる・・・1.火が燃え上がるでもなく、消えるでもない、煙だけ出した状態である。
2.人の状態が好ましくない段階で、留まっている。
3.不平不満を持ったまま、引きこもって過ごす。
4.煙のすすで黒く汚れる。すすける。
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