日本語表現インフォ > 感情表現 > 気分が晴れない・落ち込む > 暗い気持ち
暗い気持ちの表現・描写・類語
(死にたいと思いながら生きる)巨大な鯨に吞まれ、その腹の中で生き延びた聖書中の人物のように、つくるは死の胃袋に落ち、暗く淀んだ空洞の中で日付を持たぬ日々を送ったのだ
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
(死にたいと思いながら生きる)死の入り口に生きていた。底なしの暗い穴の縁にささやかな居場所をこしらえ、そこで一人きりの生活を送った。寝返りを打ったら、そのまま虚無の深淵に転落してしまいそうなぎりぎりの危うい場所だ。しかし彼はまったく恐怖を感じなかった。落ちるというのはなんと容易いことか、そう思っただけだ。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
穴の中へ身体が落ち込むような暗い気持
伊藤 整 / 氾濫 amazon
暗い心を持つものは暗い夢しか見ない。もっと暗い心は夢さえも見ない。
村上春樹「風の歌を聴け (講談社文庫)」に収録 amazon
僕は火の点いていない煙草を指のあいだにはさんで、暗い気持のまま考え込んだ。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
視界が一瞬暗くなったのは、瞬きのせいではなかった。目の前が暗くなる、という表現どおり、暗澹たる気分になった。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
足を進めることを、生きてゆくことを心底投げ出したかった。きっと明日が来て、あさってが来て、そのうち来週がやってきてしまうに違いない。それをこれほど面倒だと思ったことはない。きっとその時も自分が悲しい暗い気分の中を生きているだろう、そのことが心からいやだった。
吉本 ばなな / 満月 キッチン2「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
目の前で世界が急に暗くなった。電灯の光も見えないほどに頭の中が暗い渦巻 きでいっぱいになった。
有島武郎 / 或る女(後編)
憂慮に顰 んだ暗鬱な顔
横光利一 / 日輪
重い暗鬱が鉛のように胸に詰っていた。
松本 清張 / 与えられた生「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
林芙美子 / 新版 放浪記
林芙美子 / 新版 放浪記
「何かあったの?」 と彼が聞くくらい、暗い顔をしているのが自分でもわかった。 「何でもない。」 といいながらも笑顔をつくることができなかった。 エネルギーが落ちている、枯れている。
吉本 ばなな / キムチの夢「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
白いポロシャツや、つるんとしたほほの印象とはまるで折り合わない、暗い目
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
隣にいたらその内面の暗黒がじわじわと伝わってきた。ああ、これは本当にそうとうきてるな、と思った。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
遠くへ行き、もう戻らぬ人のための送別会をしているような暗い気分
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
気分が晴れない・落ち込む の表現の一覧
感情表現 大カテゴリ