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(息子の急死)しかし伯母は立派だった。絶望の真正面に立ち、それを全身で受け止めようとしていた。彼女からあふれ出るのはただ涙だけで、運命に対する怒りや恨みや罵りの声は何一つ聞かれなかった。
小川 洋子 / 一つの歌を分け合う「口笛の上手な白雪姫」に収録 ページ位置:14% 作品を確認(amazon)
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喪失感(大切なものを失う)
絶望・希望がない
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......尽くしていた。親戚中、皆がそんな伯母の助けになりたいと願ったが、何をどうしたらいいのか、誰にも分からなかった。一切の言葉を寄せつけない真の絶望がそこにあった。 しかし伯母は立派だった。絶望の真正面に立ち、それを全身で受け止めようとしていた。彼女からあふれ出るのはただ涙だけで、運命に対する怒りや恨みや罵りの声は何一つ聞かれなかった。葬儀では喪主の務めをきちんと果たし、参列した息子の友人たち百人以上の手を一人一人取って、感謝の言葉を述べた。さすがに夜は不安だったのか、毎晩僕の家に泊まりに来て......
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喪失感(大切なものを失う)の表現・描写・類語(悲しみのカテゴリ)の一覧 ランダム5
なるべくいたずらにひまな時間を作らないように必死で努力した。 それはそれは不毛な努力だ。本当はしたいことなんて、なにひとつありはしなかった。等に会いたかった。しかし、私はどうしてもなにか手や体や心を動かし続けなくてはいけない気がした。そして、この努力を無心に続ければいつかはなにか突破口につながると思いたかった。
吉本 ばなな / ムーンライト・シャドウ「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
(喪失感をまぎらすためにジョギングを始めた私と亡くなった彼女のセーラー服を着て過ごす柊という男)彼のセーラー服は私のジョギングだ。全く同じ役割なのだ。私は彼ほど変わり者でないので、ジョギングで充分だっただけのことだと思う。彼はそのくらいでは全くインパクトに欠けて自分を支えるにはもの足りないのでバリエーションとしてセーラー服を選んだ。どちらもしぼんだ心にはりを持たせる手段にすぎない。気をまぎらわせて時間をかせいでいるのだ。 私も柊もこの二カ月で、今までしたことのない表情をするようになった。それは失ってしまったものを考えまいと戦う表情だった。ふっと思い出して突然に孤独が押してくる闇の中に立っていると知らず知らずのうちにそういう顔になってしまうのだ。
吉本 ばなな / ムーンライト・シャドウ「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
愛する人たちともいつまでもいっしょにいられるわけではないし、どんなすばらしいことも過ぎ去ってしまう。どんな深い悲しみも、時間がたつと同じようには悲しくない。
吉本 ばなな / そののちのこと(文庫版あとがき)「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
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枯れた花が落ちるように、あっけなく息を引き取る
平岩 弓枝 / 風の墓標 amazon
鋭い目をした野鳥のように飛びこんできた
芝木 好子 / 隅田川暮色 amazon
虫のように、なんの造作 もなく死んでしまう。
芥川龍之介 / 偸盗
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