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メインストリートが真直ぐにのびていて、両側は銀杏並木の黄色でいっぱいだった。風が吹くといっせいに木々が揺れて、葉っぱがぱらぱらと斜めに落ちていった。空の青さの中で、一枚一枚の黄色の輪郭がくっきりと浮かび上がった。その黄色は、地面に落ちてくるまでの間に陽を浴びて何度も光った。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 ページ位置:78% 作品を確認(amazon)
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枯れ葉・葉が散る
並木道
銀杏(いちょう・ぎんなん)
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前後の文章を含んだ引用
......たしは急いで〝I〟の棚から『ホテル・ニューハンプシャー』を引き抜いて、他の二冊の本と一緒にカウンターへ持っていった。 図書館の扉を開けると、そこからキャンパスのメインストリートが真直ぐにのびていて、両側は銀杏並木の黄色でいっぱいだった。風が吹くといっせいに木々が揺れて、葉っぱがぱらぱらと斜めに落ちていった。空の青さの中で、一枚一枚の黄色の輪郭がくっきりと浮かび上がった。その黄色は、地面に落ちてくるまでの間に陽を浴びて何度も光った。「キャンパスの中で、僕は秋のこの場所が一番好きです。嘘みたいにきれいですね。」 S医師は図書館の玄関のステップに立って言った。わたしはうなずきながら、彼の横顔の......
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明るい陽ざしをあびて、並木の青葉も目にしみるシャンゼリゼ通り
石井 好子「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
(緑道)両脇には植えられたばかりの緑が整列している。まだ添え木がされている木々はまるで作り物みたいに綺麗で、綺麗過ぎて、緑の匂いがどこからも漂ってこない。まだ若い葉っぱたちが微かにこすれる音だけが、かろうじて聞こえていた。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
アーケエドのように枝を延ばした欅(けやき)並木
上林 暁 / 野「上林暁全集〈第3巻〉小説(3)」に収録 amazon
木におおわれたトンネルのような道
林 房雄 / 青年 (1964年) amazon
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銀杏(いちょう・ぎんなん)の表現・描写・類語(植物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
秋晴れの空から時折、銀杏の葉が金色の魚の形して降ってくる歩道
倉橋 由美子 / 倉橋由美子の怪奇掌篇 amazon
夕陽を浴びて金色に輝きながら降りしきる銀杏の中を歩く
落合 恵子 / 夏草の女たち amazon
風もない青空に、黄に化 りきった公孫樹 は、静かに影を畳んで休ろうていた。
梶井基次郎 / 冬の日
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「秋」カテゴリからランダム5
木々の葉が、一日ごと剥 がれてゆく
梶井基次郎 / 冬の日
晩秋の宵闇が、深く水色となって四周をつめたく冷やす
本庄陸男 / 石狩川 amazon
秋風が吹くようになった。
林芙美子 / 新版 放浪記
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昆布のようにつるつるした都会の歩道
林 芙美子 / 風琴と魚の町/清貧の書 amazon
うるさく折れ曲る急な 山道
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
大学から駅まで続く道が好きだ。等間隔に植えられている木が道を囲んでいて、喩えるなら表参道から高級さをすっぽりと抜いた感じ。いろんなひとがいろんな話をしながら歩いて、いろんな形の人間関係が築かれただろうこの道は、なんだかすごく大切なもののように思える。
朝井 リョウ / 僕は魔法が使えない「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
「植物」カテゴリからランダム5
眼にしみるような青葉の道だ
尾崎 士郎 / 人生劇場 青春篇 amazon
紫色の花だけ眼のように涼しく開けて、葉はまだ閉じて眠っているポインシャナ
岡本かの子 / 河明り
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