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(未明の白い月)夜の月が卵の黄身だとしたら、未明の月は卵の殻、ううん、そんなに堅いものじゃないわ。グリンピースでいうと、丸い緑色の中身と、それを覆う半透明の薄い膜。
湊 かなえ「花の鎖 (文春文庫)」に収録 ページ位置:56% 作品を確認(amazon)
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夜明け
月
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前後の文章を含んだ引用
......かんだ半透明の白い月。香西路夫の「未明の月」と同じ風景が目の前にあったのです。「これを描いたのね。白い、月のぬけがらを」「ぬけがら?」「そんなふうに見えない? 夜の月が卵の黄身だとしたら、未明の月は卵の殻、ううん、そんなに堅いものじゃないわ。グリンピースでいうと、丸い緑色の中身と、それを覆う半透明の薄い膜。どうしてもっとロマンティックなたとえができないのかしら」「しかし、ぬけがらの意味はよくわかったよ。それなら、緑、いや、月だから黄色の丸い中身はどこにいってしまっ......
単語の意味
未明(みめい・びめい)
未明・・・夜が明けきらない時間帯。午前3時ごろ~日の出前。「未」は「まだその状謡に達していない」「まだ~しない」という意味。
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夜明けの表現・描写・類語(時間帯(朝・昼・夜)のカテゴリ)の一覧 ランダム5
満天の星空の縁が、ほんのわずか白んできたように見える。そろそろ夜明けが近い。
重松 清「流星ワゴン (講談社文庫)」に収録 amazon
空が白み、乳白色の朝がたのつめたい空気がこの小屋にしのびこみます。《…略…》やがて朝の光がやっと板と板との 隙間 からさしこんできました。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
遠くで、かすかに、鶏の声がする。いつか夜の明けるのも、近づいたらしい。
芥川龍之介 / 偸盗
窓越しにマロニエの街路樹の影が、銀灰色の暁の街の空気から徐々に浮き出して来た。
岡本かの子 / 母子叙情
ゆっくりと、天空は動く。月の光が薄闇に射してくる。
吉本 ばなな / ムーンライト・シャドウ「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
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月の表現・描写・類語(空・中空のカテゴリ)の一覧 ランダム5
月の全体の形も頭蓋骨に似ている。白銀の頭蓋骨だ。
佐藤 春夫 / 田園の憂鬱 amazon
(昼の月)ビルの上にうす青い空があり、白い透き通った半月形の月が浮かんでいた。
向田邦子 / 大根の月「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
月は相変わらず寡黙だった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
日の丸のように大きな月
林 芙美子 / 耳輪のついた馬「風琴と魚の町/清貧の書 (新潮文庫 は 1-4)」に収録 amazon
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「時間帯(朝・昼・夜)」カテゴリからランダム5
とっぷりと暮れてゆく濃紺の夕方、薄暗い街灯の明かりと、その向こうに重なるように見えていた黄色い半月に気を取られて足を踏みはずした。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
ある生暖 かい日の暮れ
芥川龍之介 / 河童
晴れ上がった空がインド藍をぼかして、水っぽい光を見せる
石森延男 / コタンの口笛・第2部 amazon
からだごと燃え立つような夕焼空
竹西 寛子 / 草原の歌「長城の風」に収録 amazon
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