全身でため息をつき、何もない壁を見る。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:85% 作品を確認(amazon)
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嘆き・嫌でため息をつく
一点を見つめる
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前後の文章を含んだ引用
......」 自分の思った通りだと、杏子は感想を口にした。しかしそれは、本当の感情を無理に断ち切った末の強がりであるように思え、雪見は居たたまれない気分になった。 杏子は全身でため息をつき、何もない壁を見る。「もう駄目ね。残念だけど、お父さんがいなきゃどうにもならない……」 そのさばさばした口調はいつもの杏子にないものだった。「でも、これ、何の証拠もないことだし……......
単語の意味
溜め息・溜息・ため息(ためいき)
溜め息・溜息・ため息・・・気苦労や失望、また、感動したときや緊張がとけたときに、思わず出る大きな息。大息(おおいき・たいそく)。長息(ちょうそく)。
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嘆き・嫌でため息をつくの表現・描写・類語(悲しみのカテゴリ)の一覧 ランダム5
知らぬうちに零した溜め息が足元に積もっているように感じ、足が抜けなくなるのではと不安を覚える。
伊坂 幸太郎 / アイネクライネナハトムジーク amazon
返事の代り太い吐息をついた。
宮本百合子 / 伸子
額に手をあてて、重い息をついた。
吉川英治 / 雲霧閻魔帳
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一点を見つめるの表現・描写・類語(見るのカテゴリ)の一覧 ランダム5
「ニューギニヤで人間を食ったって、ほんとですか」 「人間か」といって、彼は夢みるように 眼 を空へ向けて、暫く黙っていた。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
太った中年の女はスクリャービンのピアノ・ソナタに聴き入っている音楽評論家のような顔つきでじっと空間の一点を睨んでいた。僕はそっと彼女の視線を追ってみたが空間には何もなかった。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
目の前のものをひたすら見つめていた。あまりにも一心に見つめすぎ、視線が彼を突き抜け、どこか遠いところに達しているかのようだった。瞳が焦点を結んでいるのは、彼の背後にある、はてしもないはるかな一点だった。
小川 洋子 / 盲腸線の秘密「口笛の上手な白雪姫」に収録 amazon
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「悲しみ」カテゴリからランダム5
気が変になるほどなつかしい。
吉本 ばなな / 満月 キッチン2「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
「嫌い」カテゴリからランダム5
あやつり人形が人形師の手を離れたように、身体中の力が抜けて行く
山田 太一 / 飛ぶ夢をしばらく見ない amazon
今日食べた鍋やつまみの全部が混ざり合ってペースト状になった生温かいディップが口のなかからあふれて
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
「見る」カテゴリからランダム5
窓から手を振った。 見送るものの胸に一瞬刻印される「死」の香りがするさみしさの陰影は、ほんとうに見送られるものと同一だろうか?
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
空気がいやにかすんでいた。まるでどこかからたき火の煙がまぎれこんでいるみたいにね。ぼんやりと白く濁っているんだ。だから遠くの方はよく見えない。でもじっと目をこらしていると、空気は少しずつ透明になっていった。本当に透明になっていったのか、あるいはその不透明さに僕の目が慣れてきたのか、そのどちらなのかは僕にはわからない。
村上春樹 / 双子と沈んだ大陸「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
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