日本語表現インフォ：ピンとくる言葉や描写が見つかる辞典

コツコツとヒールの音を響かせて去ってゆく母の後ろ姿を見たからだった。光の中で茶色がかった髪が躍っていた。

吉本ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録　ページ位置：32%　作品を確認（amazon）

この表現が分類されたカテゴリ

しおりに登録する

前後の文章を含んだ引用

......　父もそう思っていただろうか。母を愛した男たちはみんなそうだっただろうか。　朝日の中、眠い頭でそういう夢想にふけったのはなぜかというと、家の前のまっすぐな歩道をコツコツとヒールの音を響かせて去ってゆく母の後ろ姿を見たからだった。光の中で茶色がかった髪が躍っていた。　弟の由男が無断で何日も学校を休んだので、呼び出されてしまったのだ。　先週の木曜日のことだった。「えっ、行ってない？」　突拍子のない声で母が言った。　午後二時く......

単語の意味

後ろ姿・後姿（うしろすがた）

姿・形・容・態・躰・體・軆・骵（すがた）

後ろ姿・後姿・・・後ろから見た姿。後ろ手（うしろで）。

姿・形・容・態・躰・體・軆・骵・・・１．身体の形。からだつき。人のからだの格好。衣服をつけた外見のようす。
２．身なり。容姿。
３．目に見える、人の形。人の存在。
４．物の、それ自体の形。物一つ一つの全体的な印象。
５．物事のありさまや状態。事の内容を示す様相。
以下の文字は訓読みで、「すがた」と読める。
[形・容・態・躰・軆・體・骵]

ここに意味を表示

後ろ姿の表現・描写・類語（人の印象のカテゴリ）の一覧ランダム５

（後ろ姿がさみしい）お羽織を召した背後姿の、美しいがひどく淋しい感じは、まるで心の中に沈められた一個の冷たい錘（おも）りのよう

井上靖 / 猟銃「猟銃・闘牛 (新潮文庫)」に収録　amazon

背の高い、痩せすぎな後姿

心もとない足つきで去ってゆく後姿が寂しい

ラッパズボンの後襞（うしろひだ）が小憎らしい。それは内股から外股へ踏み運ぶ脚につれて、互い違いに太いズボン口へ向けて削（そ）ぎ下った。

岡本かの子 / 母子叙情関連カテ人の後ろ姿その他の前進・歩き方

男は光沢のあるスーツを着ていた。日光が男の背中に反射して、まるで昆虫のように七色に輝いていた。

せきしろ / 去年ルノアールで完全版　amazon

このカテゴリを全部見る

立ち去るの表現・描写・類語（動作・仕草・クセのカテゴリ）の一覧ランダム５

日差しに吸いこまれていく。その姿がどんどん遠くなっていく。

朝井リョウ / ひーちゃんは線香花火「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録　amazon関連カテ立ち去る遠くに見える・遠ざかる