せせらぎが月光を浴びてぼっと輝いているだけだった。
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 ページ位置:55% 作品を確認(amazon)
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水面にうつる光
月の光・月明かり
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前後の文章を含んだ引用
......る季節ではなかったが、竜夫は慌てて手さぐりで草叢を降りていった。夜露でたちまち膝から下が濡れそぼった。川縁には何もなかった。光の加減で竜夫は騙されたのであった。せせらぎが月光を浴びてぼっと輝いているだけだった。 竜夫はいつまでも川の縁に立っていた。上流を窺うと橋の下が同じように黄色く瞬いていた。父の泣き顔と、運ちゅうもんを考えるとぞっとするちゃ、という大森の言葉が重く......
単語の意味
細流(せせらぎ)
月光(げっこう)
細流・・・細(ささ)やかに流れる水の音。海や川の浅い場所を流れる水の音。さらさらと流れる水の音。また、その流れ。
月光・・・月の光。
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真っ黒な天が磐石の重さで押しつけている
中島 敦 / 牛人 amazon
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吉本 ばなな / 大川端奇譚「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
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