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日は全く落ち、すでに東の森の辺りに月が上ろうとするらしく、白い明るみが、吉田山の山側から北へ続いた盆地の中の眼下の屋根屋根の瓦を照らし、その瓦の一枚一枚が 鱗 のような黒い影をつけて浮き上っていた。
野間 宏 / 暗い絵「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 ページ位置:37% 作品を確認(amazon)
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日の入り・日没
月の光・月明かり
屋根・かわら・屋上
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前後の文章を含んだ引用
......介の背に声をかけた。「うん、有難う。伝えるよ。」 深見進介は店を出て少し下り坂になっている山傍の道を下りて行った。腹が満され、彼の気持は幾らか平安になっていた。日は全く落ち、すでに東の森の辺りに月が上ろうとするらしく、白い明るみが、吉田山の山側から北へ続いた盆地の中の眼下の屋根屋根の瓦を照らし、その瓦の一枚一枚が鱗のような黒い影をつけて浮き上っていた。日が暮れてしまうと極度に冷気が感ぜられ、月の明るみの中に透明な細かい粉が高い晴れきった夜の濃青の空から、一しきり降りては、はたと山の地に鳴く一面の虫の声と共に止......
単語の意味
眼下(がんか)
眼下・・・見下ろした辺り一面。
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日の入り・日没の表現・描写・類語(時間帯(朝・昼・夜)のカテゴリ)の一覧 ランダム5
黒ずんでいく 黄昏 が、車のテールランプやネオンや電飾板の光を急速に強めていく。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
太陽は向うの丘に隠れ、頂上に並んだ樹の間から、光線が 縞 をなして 迸った。空に残った雲だけ、まだ金色に光っていた。我々は 暫く光る雲に照されていた。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
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月の光・月明かりの表現・描写・類語(空・中空のカテゴリ)の一覧 ランダム5
月夜で、道が明るかった。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
月の光が、熱のない光線を入り江の両岸に、隈なく降り濺(そそ)ぐ
島尾 敏雄 / 出孤島記 amazon
玉を繋ぐ細い糸筋のような月の光
宮本 百合子 / 伸子 amazon
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屋根・かわら・屋上の表現・描写・類語(家・建物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
陽炎(かげろう)のなかにトタン屋根もぎらぎらと漣(さざなみ)のようにさわいでいる。
和田伝 / 沃土「和田伝全集 第2巻」に収録 amazon
(使われていないマンションの屋上)死んだ貯水槽のある狭い屋上に立った。まわりには静かに澄んだ夜景があった。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
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「空・中空」カテゴリからランダム5
外へ出て見る。雪かと思うほど、四囲は月の光りで明るい。
林芙美子 / 新版 放浪記
地平線の上に楕円形の真赤な太陽が出ている。上下から押しつぶされ、卵のような恰好だ。
火野 葦平 / 麦と兵隊「土と兵隊・麦と兵隊 (新潮文庫)」に収録 amazon
(結露)窓ガラスが結露で埋まると、それだけで、外の世界すべてが覆い隠される。
朝井 リョウ「武道館 (文春文庫)」に収録 amazon
「家・建物」カテゴリからランダム5
厚い檜皮ぶきの屋根が、重く暗い量感で、おそろしく迫って来た
川端康成 / 古都 amazon
素朴でなまなましい生命力を感じさせる陽気なライブ・ハウス
五木 寛之 / ワルシャワの燕たち amazon
その大学はとても広い自然公園のような場所にひっそりとたたずんでおり、私は、平和を誰にでもわかりやすい形で表現したようなこの場所をとっても気に入っていた。
朝井 リョウ / もういちど生まれる「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
ようやく故郷の地を踏んだ。 あんまり長いことはなれていたせいで、懐かしいという感慨もわかなかった。
中島 京子「小さいおうち (文春文庫)」に収録 amazon
「時間帯(朝・昼・夜)」カテゴリからランダム5
闇 は未来を 覆い隠し、明日の陽の光が信じられないくらい遠かった。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
わずかの時間しか地上に駐 まらない黄昏 の厳かな掟
梶井基次郎 / 冬の蠅
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