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朝霧のなか、 藁 葺きや 萱 葺きの商家が、戸を閉ざしたまま陰気な老人のように押しだまって並んでいる。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 ページ位置:62% 作品を確認(amazon)
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夜明け
町並み・集落
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前後の文章を含んだ引用
......つよい群集が群がるのを防ぐためだろうと答えた。 三人の侍が、彼を待っていた。彼等もただ、奉行の御指図だと説明したきり、前後にならんで黙って朝の道を歩きはじめた。朝霧のなか、藁葺きや萱葺きの商家が、戸を閉ざしたまま陰気な老人のように押しだまって並んでいる。道の両側に畠があり、材木が積みかさねてある。普請中の材木の匂いが霧の匂いにまじって香ってくる。長崎の街はまだ街づくりの最中なのである。真新しい築地のかげには乞食......
単語の意味
商家(しょうか)
陰気(いんき)
葺く(ふく)
商家・・・商売をやっている家。商人の家。
陰気・・・気分や天気などが、スッキリしない。明るくなく、ドンヨリしている。⇔陽気。
葺く・・・1.瓦や板、茅(かや)などで、屋根を覆う。
2.軒に草木などを見えるように挿(さ)して飾る。
2.軒に草木などを見えるように挿(さ)して飾る。
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あや目も知れない闇 の中から、硫黄 が丘 の山頂――右肩をそびやかして、左をなで肩にした――が雲の産んだ鬼子のように、空中に現われ出る。鈍い土がまだ振り向きもしないうちに、空はいち早くも暁の光を吸い初めたのだ。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
あと一時間で朝は突然気配を表し、それにいち早く気づいた鳥たちがうるさいほどに鳴き始めるだろう。
よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録 amazon
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(夜の家並み)やがてその辺に、チラチラと数えられるほどの燈火 がつく。
吉川英治 / 銀河まつり
ぼんやりと青い空気の底に沈む淡くかすんだ街並み
よしもと ばなな / ムーンライト・シャドウ amazon
(古い町並み)昔のままの通りを歩くと、生まれる前の過去に入って行くよう
丸谷 才一 / 年の残り amazon
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地中の子宮みたいな石窟
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
名古屋ももちろん大都会ではあるけれど、文化的な面をとりあげれば、東京に比べてうすらでかい地方都市という印象は否めない。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
大山の美しい山並は、まるで拾い物をしたようにもみえた。
滝井 孝作 / 野趣 amazon
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