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(明け方の月)月は巨大な赤い 歪形 となって、 遥かな林の頂にかかっていた。その弱い光は野に充満した乳色の光と違っていた。ここにあるのは、もう 黎明 の光であった。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 ページ位置:33% 作品を確認(amazon)
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夜明け
月
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前後の文章を含んだ引用
......側の木々はますます明るく、樹皮の斑紋を鮮やかにして行った。私は怖れから物を明瞭にみる感覚のメカニスムを奇妙に思ったが、私は間違っていた。 林が切れ広い野に出た。月は巨大な赤い歪形となって、遥かな林の頂にかかっていた。その弱い光は野に充満した乳色の光と違っていた。ここにあるのは、もう黎明の光であった。私が林中の樹皮に見た光が、既にそれだったのである。 その時私のいた地点は、丘から続いた林の端であり、最初の計算では、私の道程の半分に当るはずであった。目的の村ま......
単語の意味
黎明(れいめい)
乳色(ちちいろ)
黎明・・・1.夜が終わり朝になる頃。夜明け。
2.新しく物事が始まろうとする頃。
2.新しく物事が始まろうとする頃。
乳色・・・牛乳のような色。少し濁りのあるような白。乳白色。
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夜明けの表現・描写・類語(時間帯(朝・昼・夜)のカテゴリ)の一覧 ランダム5
瓦斯(燈)の光が段々に間が抜けて来た。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
あまりにもきれいな東京の夜明け。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
夜明けだ、新しい空気が甘美な果汁のようにかれを蘇生させる。
大江 健三郎 / われらの時代 amazon
宮沢賢治 / いちょうの実
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月の表現・描写・類語(空・中空のカテゴリ)の一覧 ランダム5
まるでついさっき灰の山をくぐり抜けてきたみたいに全体が不思議な白みを帯びていた
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
月が風に吹かれているようで、歪んだ高い窓から色々な光の虹 が私には見えてくる。
林芙美子 / 新版 放浪記
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「時間帯(朝・昼・夜)」カテゴリからランダム5
さっきまで頭上で海面を輝かせていた太陽はすでに水平線まで遠のき、うっすらと赤みを帯びている。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
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かすかに黄色味がかった濃い灰色の雲が、よじれた腸管のように気味悪くうごめく
日野 啓三 / 抱擁 amazon
雲海の中に虹の橋がかかっている。
湊 かなえ「花の鎖 (文春文庫)」に収録 amazon
夜空に花火が咲く。花火は好きだ。色とりどりの光を空にぶちまけて咲く、あの一瞬がいい。消えたあと、しんと静まり、いつもより黒く広く感じる空がいい。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
ながれ星がいっぱい夕立のようにふりだした
庄野 英二 / 星の牧場 amazon
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