濃厚な魚介や鶏のスープをごはんがたっぷり吸い込んで、旨みが抜群

おなべをするとき、最後はおじやや、うどんの煮こみを作る。そして出来上りぎわにほぐした玉子をかけてとじる。この玉子とじのおじやがたべたいためにおなべをするのだ

雑炊は江戸庶民料理の花形でした

カニの香りが実に心をそそるカニ雑炊。旨味はしみじみ胃に染みる

冷や飯はざるにあけて水でよく洗う。米の粘りをとり、さらりとした口当たりにするためである。

さっぱりとしたスープは雑炊に格別

魚介類の鍋を七輪の炭火にかける。次第に香ばしい湯気が辺りをつつみ、鍋は魚がぐずぐずと煮え立ちはじめる。

寒いから、何か寄鍋（よせなべ）でもつつきたい

中身を食べ終わった後の汁での雑炊も楽しみ。熱い熱いとフーフー言いながら食べると、窓ガラスが湯気で曇っているのに気づく。

ふつふつと煮えきるきりたんぽの鍋を前にして乾杯する

茹でた大豆を擂鉢で摺って、吐瀉物のような粥をこしらえ

この〔お子様ランチ〕なるものに、かならず型でぬいたチキンライスがそえてあった

土鍋でふっくら炊き上げたご飯のおいしさは、一度味わうと誰もが病みつきになる

フランス人はパンが好きで、パンならいくらでも食べられるが、ご飯は食べなれていないし、野菜としてあつかうくらいだから、ほんの少ししかたべない。

おにぎりを皿に載せて、それに箸を突っ込み、ぐしゃぐしゃに壊してから、一欠けらを摘み上げる

懐かしい食べ物ばかりだ

（結解料理）主客は、完全に、むかしの世界へさかのぼって行く。私自身が、何か舞台の上で、むかしの人の役を演じているかのような気分になってしまう。

実に複雑で密度のある味が大根にしみこんでたまらない

柔らかくて噛むと中からおいしい汁がぴゅっと飛び出す

油揚げは脇役だということである。 「パートナーを立てる」という精神を片時も忘れない性格も、人々の好感をさそったようだ。 　自らリーダーシップを取ることなく、周囲との協調を大切にする、というのが油揚げの生き方である。《…略…》油揚げ自体は、それほど味のあるものではない。 　しかしこれが、ひとたび味噌汁の中にひたされると、味噌汁やダシの味を吸いこみ、自己の味と同化させ、嚙みしめたとき、油揚げ独特のあの滋味あふれる味となる。自分を強く主張することを避け、周囲との同化によって自分の持ち味を引き出す。しかもそれが自分の実力以上の力を発揮する結果となっているのである。《…略…》「人の行く裏に道あり、花の山」 　これが油揚げの処世術なのである。