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気の毒なお月さまが、東の空の隅っこに、使い古しの腎臓みたいにぽこっと浮かんでいるような時間に。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 ページ位置:11% 作品を確認(amazon)
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夜明け
月
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......電話をかける。ごく普通のかたちの電話ボックスだ。「ねえ、こんな時間に電話をかけたのはたしかに悪いと思うわよ。心からそう思う。まだニワトリすら鳴いていない時間に。気の毒なお月さまが、東の空の隅っこに、使い古しの腎臓みたいにぽこっと浮かんでいるような時間に。でもね、わたしだってあなたに電話をかけるためにまだ暗い夜道をとぼとぼとここまで歩いてきたのよ。従姉の結婚式でもらったテレフォン・カードを小さな手に握りしめてね。......
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夜明けの表現・描写・類語(時間帯(朝・昼・夜)のカテゴリ)の一覧 ランダム5
いつの間にか窓越しの空がかすかに白くなった。
阿刀田 高 / 恋は思案の外「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
未だほの闇 いのに家を出る。
伊藤左千夫 / 野菊の墓
満天の星空の縁が、ほんのわずか白んできたように見える。そろそろ夜明けが近い。
重松 清「流星ワゴン (講談社文庫)」に収録 amazon
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月の表現・描写・類語(空・中空のカテゴリ)の一覧 ランダム5
ちょうど大星に接近して土耳古(トルコ)の旗のようになっている新月
稲垣 足穂 / 弥勒 amazon
(夕月)貝がらのようにほの白い夕月が、ほそくかかっていた。
永井竜男 / 風ふたたび「永井龍男全集 5 長篇小説 1」に収録 amazon
月は高く明るく、星をかき消して夜空を渡ってゆく。満月だった。
吉本 ばなな / 満月 キッチン2「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
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「時間帯(朝・昼・夜)」カテゴリからランダム5
夕焼けが、その情景を幻想的にしていたのだろう。昼間に出会った少年がいた。夕日を背にして、彼は田圃の真ん中に立っていた。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
墨汁の中を泳いでいるような世界
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
「空・中空」カテゴリからランダム5
道の正面に近く見える東山は暗く 霞み、その上を薄墨色の雲が騒がしく飛んでいた。変に張りのない陰気臭い日だった。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
幾重にも横に刷毛で掃いたような薄雲の襞(ひだ)を夕陽が赤く爛(ただ)れさせる
福永 武彦 / 草の花 amazon
空には刷毛でひいたような白い雲が幾筋か流れ
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
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