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(あさもや)靄 が野を蔽い、正面の林がかすんで見えた。林は私が 佇立 しているうちにも明るさを増した。靄も形を明らかにし、島のようにいくつかの群に分れて来た。右手に厚く延びて動かない一団は、その下の河を示すものらしかった。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 ページ位置:33% 作品を確認(amazon)
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霧・かすみ・もや
朝
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前後の文章を含んだ引用
......ある。 私は眠りから醒めたところであった。私はあたりに月光があるのを見て、夜だと思い、目的地に夜明前に着けると判断したが、実はその時が既に夜明だったのである。 靄が野を蔽い、正面の林がかすんで見えた。林は私が佇立しているうちにも明るさを増した。靄も形を明らかにし、島のようにいくつかの群に分れて来た。右手に厚く延びて動かない一団は、その下の河を示すものらしかった。 視野に家も燈火もなかったが、とにかくこれは人里であり、しかも明るくなりかけていた。そして私は熱帯の朝が、幕をあげるように、するすると明け放れるのを知っていた。......
単語の意味
右手(みぎて)
右手・・・1.右の手。 ⇔ 左手(ひだりて)。
2.右の方向。右側。
2.右の方向。右側。
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