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冬の比喩を使った文章の一覧(43件)
霧をはらんだ冬の夜ふけの冷たい空気が硬い粉のように瞼や頬に痛かった
大江健三郎 / 芽むしり仔撃ち amazon
何もかも寒さのために身動きできず、風さえも空で凍りついてしまっているような一日
小川 洋子 / 余白の愛 amazon
空が、初冬の朝の拭き清めたような輝きに満ちる
佐多 稲子 / 素足の娘 amazon
空気がかちんかちんとちぢかんで、高台をうずめている木立が氷花のように澄む
石森 延男 / コタンの口笛 第2部 amazon
冬の夜が錐(きり)のような霜を挟んでからりと明け渡る
夏目 漱石 / 門 amazon
つららが何本も何本もじゅずのようになってかかる
宮沢 賢治 / なめとこ山の熊 amazon
ねっとりとした春である。わずかにしめっている女の脇の下を思わせる春である。
サトウハチロー / 浅草悲歌
春がもう豹のような忍び足で訪れていはしたものの
三島 由紀夫 / 仮面の告白 amazon
冬はまだ檻のように、仄暗く頑なに、その前面に立ちふさがっていた。
三島 由紀夫 / 仮面の告白 amazon
草葺(くさぶき)の屋根を伝う濁った雫が凍るのだから、(氷柱は)茶色の長い剣を見るようだ。
島崎 藤村 / 千曲川のスケッチ amazon
氷柱の簾が檐(のき)に下っており、銀の大蛇のように朝の光線に輝いている
徳田 秋声 / 縮図 amazon
風の強い冬の夜には、明かりのついた窓は特別な優しい温もりを獲得する。天吾は光の灯った窓をひとつひとつ順番に目で追っていった。小さな漁船から夜の海に浮かんだ豪華な客船を見上げるように。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
肺をいったん空っぽにし、少し時間をおいて新しい空気で満たした。冷ややかな空気が無数の棘となって、胸を内側から刺した。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
風がすっかり冷え切って、鋼の空には冬の予感がある
加賀乙彦 / 海霧 amazon
落葉松の小枝から霧氷がぱらぱら散って、桜の落花のよう
川端康成 / 掌の小説 amazon
木々の枝を覆っていた氷が水晶細工の森のように光り輝く
加賀乙彦 / 海霧 amazon
黒い毒液をこね回したような海に、雪が白い睡眠薬のように降り注ぐ
加賀乙彦 / 海霧 amazon
快かった風が冷たい冬の棘に変わる
連城三紀彦 / 一夜「日曜日と九つの短篇」に収録 amazon
ザラついた粒子の粗い冬の空
阿久悠 / 瀬戸内少年野球団 amazon
正月が雪を率いて注連飾りの都を白くする
夏目漱石 / 門 amazon
冬がひたすら躊躇しつつも地上に沈もうとする
永塚節 / 土 amazon
冬の月が夜気を白刃のように凍らせる
川端康成 / 掌の小説 amazon
冬の夕方の空が硝子のような色をする
大仏次郎 / 雪崩 amazon
冬の夜更けの冷たい空気が硬い粉のように瞼や頬に痛い
大江健三郎 / 芽むしり仔撃ち amazon
冬の夜が錐のような霜を挟んでからりと明け渡る
夏目漱石 / 門 amazon
みぞれまじりの、空気が歯にしみるような寒い夕暮れ
宮部みゆき / たった一人「とり残されて」に収録 amazon
その他の風景を表す比喩表現
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