旦那は味噌汁からちょいちょいと鳥がをついばむように具だけを抜き取っている。何度やめてほしいと頼んでも、医者に塩分をひかえるように注意されたと言って、こうして毎日むしろ堂々と汁を残すのだ。
本谷 有希子 / 異類婚姻譚 ページ位置:12% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
みそ汁
食べる
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......タヱさんが話すと、このまとまりのなさがむしろいわく言いがたい余韻になっていたのに、案の定、旦那には「それってなんなの、怖い話?」と一瞥されて終わってしまった。 旦那は味噌汁からちょいちょいと鳥がをついばむように具だけを抜き取っている。何度やめてほしいと頼んでも、医者に塩分をひかえるように注意されたと言って、こうして毎日むしろ堂々と汁を残すのだ。 私は食卓に座る旦那の横顔を、いかげそとわけぎの酢味噌和えを取るついでに眺めた。食事をしながらテレビが観たいという旦那の希望で、私の定位置は旦那の向かい側ではな......
単語の意味
啄ばむ・啄む(ついばむ)
啄ばむ・啄む・・・口ばしや口の先でモノをつついて食べる
ここに意味を表示
みそ汁の味、おいしさを伝える表現・描写(和食・日本料理のカテゴリ)の一覧 ランダム5
味噌のコクも砂糖の甘みも最初は主張しないのだ。自分は脇役と心得て、控えめに素材に寄り添っている。どんな味だい、はっきりおし、と迫れば際限なく逃げる。逃げられれば追うのが人情。追うほどに深みにはまる。気が付けば味噌どぶどろの底なし沼。
萩野アンナ / 食べる女 amazon
なし崩しに溶けていく味噌の濁流に潜む、すりつぶされた豆の残滓。
萩野アンナ / 食べる女 amazon
このカテゴリを全部見る
食べるの表現・描写・類語(動作・仕草・クセのカテゴリ)の一覧 ランダム5
(食べ終わる)瞬く間に平らげた陣治は、しつこく楊枝を使いながらチャッ、チャッ、といつもの音をたてる。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
ちょっと人さまにみられては困るような大口をあかなくてはならない
石井 好子「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「和食・日本料理」カテゴリからランダム5
土なべのまま食卓にだすのが趣きがある。
石井 好子「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
トリなべは、最後にきしめんやおもちを入れておいしくいただいた。何だかお正月のような気分だった。
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
「動作・仕草・クセ」カテゴリからランダム5
びしょ濡れの犬みたいに、激しく身震いをして
安部 公房 / 他人の顔 amazon
「ハ、ハ、ハ、ハ」逸見が枯木でも折るような調子で笑って
木山 捷平 / 大陸の細道 amazon
同じカテゴリの表現一覧
和食・日本料理 の味・おいしさの表現の一覧
動作・仕草・クセ の表現の一覧
食べ物表現 大カテゴリ