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(深夜、二つに仕切られた外の共同湯に入っていると)きまって客の湯の方に男女のぽそぽそ話しをする声がきこえる。私はその声のもとを知っていた。それは浴場についている水口で、絶えず清水がほとばしり出ているのである。また男女という想像のって来るところもわかっていた。それは溪の上にだるま茶屋があって、そこの女が客と夜更けて湯へやって来ることがありうべきことだったのである。そういうことがわかっていながらやはり変に気になるのである。男女の話声が水口の水の音だとわかっていながら、不可抗的に実体をまとい出す。その実体がまた変に幽霊のような性質のものに思えて来る。いよいよそうなって来ると私はどうでも一度隣の湯をのぞいて見てそれを確めないではいられなくなる。
梶井基次郎 / 温泉 ページ位置:17% 作品を確認(青空文庫)
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夜(闇)が怖い 蛇口・水道(水)
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前後の文章を含んだ引用
......に、一つは旅館の客にあててあった。私がそのどちらかにはいっていると、きまってもう一つの方の湯に何かが来ている気がするのである。村の方の湯にはいっているときには、きまって客の湯の方に男女のぽそぽそ話しをする声がきこえる。私はその声のもとを知っていた。それは浴場についている水口で、絶えず清水がほとばしり出ているのである。また男女という想像のって来るところもわかっていた。それは溪の上にだるま茶屋があって、そこの女が客と夜更けて湯へやって来ることがありうべきことだったのである。そういうことがわかっていながらやはり変に気になるのである。男女の話声が水口の水の音だとわかっていながら、不可抗的に実体をまとい出す。その実体がまた変に幽霊のような性質のものに思えて来る。いよいよそうなって来ると私はどうでも一度隣の湯をのぞいて見てそれを確めないではいられなくなる。それで私はほんとうにそんな人達が来ているときには自分の顔が変な顔をしていないようにその用意をしながら、とりあいの窓のところまで行ってその硝子ガラス戸を開けて見るのであ......
単語の意味
迸る(ほとばしる)
達磨茶屋(だるまちゃや)
迸る・・・(液体が)勢いよく吹き出る。飛び散る。強く流れ出る。
達磨茶屋・・・売春婦と遊ぶことができる店。「達磨」は売春婦のこと。寝ては起き寝ては起きするところから。「茶屋」は休憩所のこと。
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蛇口から注いだばかりの薬臭い水
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
とにかく巨大な音がする蛇口だった。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
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日の光の新しい午前の往来
梶井基次郎 / のんきな患者
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