TOP > 感覚表現 > 動き・反応・変化・現象 > 焼く・燃やす
(蝶の標本を燃やす)蝶を箱から出して、庭で火をつけた。メラメラと紙のように焼けていく羽から銀色の粉が飛び散った。それは風にとばされて消えてしまった。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 ページ位置:65% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
粉が舞う
焼く・燃やす
蝶々(ちょうちょ)
紙などが燃える
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......ろう。午後になると山口はもう疲れ切ったのか、肩をおとし、背をまげはじめた。心の苦しさを消すため、ぼくはそんな理窟をつくった。 その日、学校から帰ると、ぼくはあの蝶を箱から出して、庭で火をつけた。メラメラと紙のように焼けていく羽から銀色の粉が飛び散った。それは風にとばされて消えてしまった。夜になると寝床の中でぼくは右の歯が烈しく痛むのを感じた。夢の中で山口のくたびれた姿が幾度もあらわれた。 翌日、ぼくは脹れた頰を押えながら学校に行った。校門の所で......
単語の意味
蝶(ちょう)
蝶・・・1.鱗翅目(りんしもく[=ガやチョウなど])の昆虫でガ以外のものを総称。四枚の大きな羽を羽ばたかせひらひらと昼間に飛ぶ。止まった時の羽を直立して閉じる、口先がらせん状になっているなどガと区別する。ただし、生物学的には明確な違いはない。主に昼間活動する。ひらひらと飛ぶ様子は死者の魂に結び付けられることもある。古名で「かわひらこ」という。
2.紋所の名。1の蝶をかたどったもの。
2.紋所の名。1の蝶をかたどったもの。
ここに意味を表示
粉が舞うの表現・描写・類語(風のカテゴリ)の一覧 ランダム5
このカテゴリを全部見る
焼く・燃やすの表現・描写・類語(動き・反応・変化・現象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
小さめに切って早く火の通るようにする
石井 好子「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
(紙を)1枚ずつ火にくべた。いちいちめらめらと、踊るように燃え上がった。《…略…》すぐに紙片は黒くて軽い固まりになって、ころころと風に押されて浜を転がっていった。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
木箱を出して、火の中に入れた。 それはしばらくの間、目立って燃えていた
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
蝶々(ちょうちょ)の表現・描写・類語(昆虫・虫のカテゴリ)の一覧 ランダム5
弓弦のように引きしぼった大きな(蝶の)羽
遠藤 周作 / 海と毒薬 amazon
白い蝶々が雪のように群れて
林芙美子 / 新版 放浪記
このカテゴリを全部見る
紙などが燃えるの表現・描写・類語(火・煙・灰のカテゴリ)の一覧 ランダム5
青い焔が燃え、赤い表紙が生き物のように反り始め
梅崎 春生 / 桜島 amazon
繩が火の粉を散らしながら二つに分れ落ちる
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
灰と化した紙片は《…略…》ちぎれた黒蝶の羽のように舞い上った。
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
このカテゴリを全部見る
「昆虫・虫」カテゴリからランダム5
黒胡麻のような水すまし
外村 繁 / 澪標「澪標・落日の光景 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
蟬が雨降りみたいに鳴きまくり
川上 未映子「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
(ウスバカゲロウ)小娘の息のようなふわふわした小さな虫
佐藤 春夫 / 田園の憂鬱 amazon
「火・煙・灰」カテゴリからランダム5
火の壁をくぐって、亡霊のような人影がもつれ合いながらよろめき出る
光瀬 龍 / 百億の昼と千億の夜 amazon
「動き・反応・変化・現象」カテゴリからランダム5
紙を拡げて投げた軽さで埃がおさまる
新田 次郎 / 縦走路 amazon
猫は木の根もとをぐるぐると走ってまわり始めた。すごい勢いで、まるで絵本に出てくるバターになっちゃうトラみたいに。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
「風」カテゴリからランダム5
同じカテゴリの表現一覧
昆虫・虫 の表現の一覧
火・煙・灰 の表現の一覧
動き・反応・変化・現象 の表現の一覧
風 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ