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(ししゅうに集中する)彼女の目つきは鋭く、針先はただ次に突き刺すべき一点のみを捕らえ、指先の 温もりで精気を与えられた糸は、生きもののようにしなやかにこちら側とあちら側を行き来した。
小川 洋子 / 亡き王女のための刺繡「口笛の上手な白雪姫」に収録 ページ位置:39% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
......えしていないのではないかと思うほどだった。こうなるともう相手はしてもらえず、仕方なく私は作業台の片隅で、新たな裁縫道具による独自の遊びを編み出すしかなかった。 彼女の目つきは鋭く、針先はただ次に突き刺すべき一点のみを捕らえ、指先の温もりで精気を与えられた糸は、生きもののようにしなやかにこちら側とあちら側を行き来した。大柄な体とは不釣合いに、指はか細かった。針と糸に調和する細さを保っていた。その手の中で、木枠に閉じ込められた布は、されるがままに身を任せる従順な生贄だった。そう......
単語の意味
指先(ゆびさき)
指先・・・手や足の、指の先端。指の先っぽ。指頭(しとう)。指端(したん)。
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画を描いている時は、自分の周りの時間だけが進んでいて、描き終わったその瞬間に過ぎ去っていた分の時間をぐんと飛び越える気がする。
朝井 リョウ / 僕は魔法が使えない「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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長い針を動かせて
林芙美子 / 新版 放浪記
海老みたいにこごんで縫いものをする
中 勘助 / 銀の匙 amazon
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りこさんが木枠の金具を締め上げ、針を通してゆくと、誰にも真似できない世界がそこに浮かび上がってきた。ワンピースの胸元に咲くお花畑も、ロンパースのお尻で向かい合うリスも、上から付け足したのではなく、布の向こうに隠れていたものたちが何かの拍子にこちら側へ現れ出てきたという自然さをまとっていた。
小川 洋子 / 亡き王女のための刺繡「口笛の上手な白雪姫」に収録 amazon
ハンカチのイニシャルは見事だった。安っぽい一枚の布切れが、片隅にたった二つ、文字を刺繡されただけで優美な服飾品に変身していた。
小川 洋子 / 亡き王女のための刺繡「口笛の上手な白雪姫」に収録 amazon
金具の本格的な銀色がお気に入りだった。木枠がギシギシと 軋み、もうこれ以上は我慢できないといった様子で布が目一杯張り詰められてゆく、その感触がたまらなかった。《…略…》木枠の軋む音がいよいよ苦しげになってもまだ私はあきらめず、更にもう一回転金具を回せないかと試みた。枠が割れるのと布が破れるのとどちらが先か、ぎりぎりのところまで指先に力を込めた。
小川 洋子 / 亡き王女のための刺繡「口笛の上手な白雪姫」に収録 amazon
それぞれに施された刺繡の手触りが 蘇ってくる。あるものは袖口の内側に遠慮がちに隠れつつ、守護天使のように私を見守り、またあるものは胸元の一番目立つ場所に陣取り、邪悪なものを追い払う護符となっていた。
小川 洋子 / 亡き王女のための刺繡「口笛の上手な白雪姫」に収録 amazon
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「思考・頭の中の状態」カテゴリからランダム5
死んだ鯖の目玉のように澱んだ頭の中
中沢 けい / 野ぶどうを摘む amazon
私の遠い瞳が見ていたのは、山の向こうにあるはずの、もっとどろどろして、もっと強く、とてつもなく美しいはずの「人間」というものに対する夢だった。
吉本 ばなな / 血と水「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
「動作・仕草・クセ」カテゴリからランダム5
雛鳥のように待ってる
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
喉の奥まで見せて笑っている。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
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テレビの連続ドラマを何回分かまとめて見たようなだるい印象を残す映画
池澤 夏樹 / シネ・シティー鳥瞰図 amazon
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