TOP > 風景表現 > 時間帯(朝・昼・夜) > 夜のしじま(静けさ)
昼間は気のつかない自分の下駄の音が変に耳につく。そしてあたりの静寂は、なにか自分が変なたくらみを持って町を歩いているような感じを起こさせる。
梶井基次郎 / ある心の風景 ページ位置:89% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
足音・靴音
夜のしじま(静けさ)
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......夜更けを見せている。昼間は雑閙 のなかに埋れていたこの人びとはこの時刻になって存在を現わして来るのだと思えた。 新京極を抜けると町はほんとうの夜更けになっている。昼間は気のつかない自分の下駄の音が変に耳につく。そしてあたりの静寂は、なにか自分が変なたくらみを持って町を歩いているような感じを起こさせる。 喬は腰に朝鮮の小さい鈴を提 げて、そんな夜更け歩いた。それは岡崎公園にあった博覧会の朝鮮館で友人が買って来たものだった。銀の地に青や赤の七宝がおいてあり、美しい......
単語の意味
静寂(せいじゃく)
静寂・・・物音一つなく静まり返っていること。ひっそりとして寂しさのあること。また。そのさま。「寂」は訓読みで「しず(か)」とも読める。
ここに意味を表示
足音・靴音の表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
法衣が擦れる音と、革靴のソールが床を叩く乾いた音だけが鳴り続ける。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
夜のしじま(静けさ)の表現・描写・類語(時間帯(朝・昼・夜)のカテゴリ)の一覧 ランダム5
闇 の中に聞えるのはただ地虫の長い 嗄れた声だけである。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
遠くで犬が鳴いている他には、何の音も聞こえない。
小川 洋子「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
天を、星が動いてゆく音が耳の奥に聞こえてきそうなくらいに、しんとしている孤独な夜中だ。
吉本 ばなな / キッチン「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「音の響き」カテゴリからランダム5
雨がいつか本降りになって、廂(ひさし)に早瀬のような音を立てた。
獅子 文六 / 胡椒息子 (1953年) amazon
街は水を打ったように森閑となる。
林芙美子 / 新版 放浪記
「歩く・歩き方」カテゴリからランダム5
我々は偶然の大地をあてもなく彷徨っているということもできる。ちょうどある種の植物の羽根のついた種子が気紛れな春の風に運ばれるのと同じように。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
犬のように這いこんだ男
吉川英治 / 銀河まつり
ステップをふむような軽い足どり
吉本 ばなな / ムーンライト・シャドウ「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
さらさらと爪先をするような聴きなれた母の跫音
宮本百合子 / 伸子
「時間帯(朝・昼・夜)」カテゴリからランダム5
軽金属のような朝陽が林や畑のうえに輝いていた。
開高 健 / パニック「パニック・裸の王様 (1960年) (新潮文庫)」に収録 amazon
吉川英治 / 増長天王
同じカテゴリの表現一覧
音の響き の表現の一覧
歩く・歩き方 の表現の一覧
時間帯(朝・昼・夜) の表現の一覧
感覚表現 大カテゴリ