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空の肌質 はいつの間にか夕日の余燼 を冷 まして磨 いた銅鉄色に冴 えかかっていた。表面に削 り出しのような軽く捲 く紅いろの薄雲が一面に散っていて、空の肌質がすっかり刀色に冴えかえる時分を合図のようにして、それ等の雲はかえって雲母 色に冴えかえって来た。
岡本かの子 / 金魚撩乱 ページ位置:41% 作品を確認(青空文庫)
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日の入り・日没
夕焼けの雲
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前後の文章を含んだ引用
......通り、湖の岐入とS川との境の台地下へボートを引戻 し、蘆洲の外の馴染 の場所に舶 めて、復一は湖の夕暮に孤独 を楽しもうとした。 復一はボートの中へ仰向 けに臥 そべった。空の肌質 はいつの間にか夕日の余燼 を冷 まして磨 いた銅鉄色に冴 えかかっていた。表面に削 り出しのような軽く捲 く紅いろの薄雲が一面に散っていて、空の肌質がすっかり刀色に冴えかえる時分を合図のようにして、それ等の雲はかえって雲母 色に冴えかえって来た。復一はふと首を擡 げてみると、まん丸の月がO市の上に出ていた。それに対してO市の町の灯の列はどす赤く、その腰を屏風 のように背後の南へ拡がるじぐざぐの屏嶺 は墨色 へ幼 ......
単語の意味
夕日・夕陽(ゆうひ)
夕日・夕陽・・・夕方の太陽。入り日(いりひ)。
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山々が夕陽の最後の光を映して薄紫に輝き、頂きのなだらかな線をしばらく黒く強く暮れ残る薄白い夕の空にきわだって見せていたが、やがて潮が引くように次第に暮の色が山並から下りて来る。
野間宏 / 第三十六号「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
窓の外の風景が次第に蒼ざめた空気のなかへ没してゆく
梶井基次郎 / 冬の日
太陽は向うの丘に隠れ、頂上に並んだ樹の間から、光線が 縞 をなして 迸った。空に残った雲だけ、まだ金色に光っていた。我々は 暫く光る雲に照されていた。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
冬の黄昏が、さあっと黒ずんでいった
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
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真紅の雲が放射線をなして天頂まで延びる
大岡昇平 / 野火 amazon
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ながれ星がいっぱい夕立のようにふりだした
庄野 英二 / 星の牧場 amazon
月に白 んだ小路
芥川龍之介 / 偸盗
瞬き始めた空に花火が咲いた。一つ、二つ。九時から予定されている本格的な打ち上げの、前座みたいな花火だった。赤一色だけの火の花は、すぐに萎れて消えた。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
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