風が、山をうごかしてきた。喬木の魔形 が雲のはやい空に揺れて、唸っている。
吉川英治 / 無宿人国記 ページ位置:69% 作品を確認(青空文庫)
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草木のざわめき
強風・暴風
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前後の文章を含んだ引用
......を拾った。読むとすぐ、裂いて、袂 に突っこみながら、 「ああ、喉が渇 いた」 と、まだ幾分か、宿酔 の眼まいを感じるらしく、ふら、ふら、と御手洗 の方へあるいて行った。 風が、山をうごかしてきた。喬木の魔形 が雲のはやい空に揺れて、唸っている。足場の人影は、あわただしく、活溌になって、木ッ葉や、鉋くずが、地に舞った。 「ちょっと伺います。――職人衆、仕事のお手を止めて、恐れ入ります」 仕切帳でも包んであ......
単語の意味
喬木(きょうぼく)
喬木・・・人の背より高い木。背の高い木。高木(こうぼく)。「喬」は、「高くそびえる」さまをあらわす字。
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草木のざわめきの表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
風が吹くと庭の草が一面、ささやくようにかさかさと揺れた。
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
頭上でさわさわと桜が鳴いた。あたしの一人勝手なおしゃべりや思いつきを笑っているようにもおもしろがっているようにも聞こえる。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー〈2〉 (文春文庫)」に収録 amazon
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強風・暴風の表現・描写・類語(風のカテゴリ)の一覧 ランダム5
右に左に、木々は首を振って、枯れた木の葉を散らし続ける。
吉本 ばなな / 満月 キッチン2「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
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「音の響き」カテゴリからランダム5
頭まですっぽり蒲団をかぶって目を見開いていた。屋根の雪が少し滑り落ちていった。誰かの足音が路地から川べりへと移っていき、やがて聞こえなくなった。
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
ザ、ザ、ザッ――と野分のように、男女のうしろで、草が鳴った。
吉川英治 / 野槌の百
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巨樹の根が土から現れて、太い真っ黒な血管のように遠くまでうねりひろがる
三島 由紀夫 / 午後の曳航 amazon
壁のようにそそり立つ堂々たる幹
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
綿毛のような猫柳の花
遠藤 周作 / 海と毒薬 amazon
「風」カテゴリからランダム5
ただ涼しい風がそよそよと鬢 の毛をそよがして通るのを快いと思っていた。
有島武郎 / 或る女
白い波頭を均(なら)すように湖心を風の脚が移って行く
大岡 昇平 / 武蔵野夫人 amazon
耳元でぐるぐる捩れながら吹き過ぎていく風の音
宮本輝 / 道頓堀川 amazon
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