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(銀座の人波)むらな雨雲のように押し合って塊ったり、意味なく途切れたりしつつ、大体の上では、町並の側と車道の側との二流れに分れて、さらさらと擦れ違って行く。すると、それがいかにも歓 びに溢 れ、青春を持て剰 している食後の夜の町のプロムナードの人種になって、特に銀座以外には見られぬ人種になって、上品で綺羅 びやかな長蛇のような帯陣をなして流れて行く。
岡本かの子 / 母子叙情 ページ位置:40% 作品を確認(青空文庫)
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混雑している・雑踏・人混み
人通り・人の往来
歓楽街・盛り場
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前後の文章を含んだ引用
......ようだ。また、谷に人を追い込めて、脅かし誑 かす妖精群のようにも見えた。 目をつけるとその一人一人に特色があって、そしてまた、特にこれが華やかとも思えない男女が、むらな雨雲のように押し合って塊ったり、意味なく途切れたりしつつ、大体の上では、町並の側と車道の側との二流れに分れて、さらさらと擦れ違って行く。すると、それがいかにも歓 びに溢 れ、青春を持て剰 している食後の夜の町のプロムナードの人種になって、特に銀座以外には見られぬ人種になって、上品で綺羅 びやかな長蛇のような帯陣をなして流れて行く。 「やあ」 「よう!」 「うまくやってる」 「どうしたん?」 「しばらく」 きれぎれに投げ散らされるブールヴァル言葉が、足音のざわめきにタクトされつつ、しきりなしに乱れ飛......
単語の意味
長蛇(ちょうだ)
綺羅(きら)
長蛇・・・1.長い蛇や巨大な蛇。大蛇(だいじゃ)。
2.ほそ長いもの、とくに長く並んでいるもののたとえ。「長蛇の列」
2.ほそ長いもの、とくに長く並んでいるもののたとえ。「長蛇の列」
綺羅・・・1.綺(あや、=あやぎぬ)と羅(うすぎぬ)。きれいな衣服。美しい衣服。
2.見た目が華やかなこと。うわべを飾り立てること。
2.見た目が華やかなこと。うわべを飾り立てること。
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人通り・人の往来の表現・描写・類語(地上・陸地のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(立ち止まって話していると)南に向かう人々の話し声や体臭や着ているものの色合いが、大きな濁流のように邦彦の傍を横切っていた。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
電車や群衆の影が夢のように動く
徳田 秋声 / あらくれ amazon
人の流れの中で棒杙(ぼうくい)のようになって、しばらくショーウインドーを眺めつづける
内海 隆一郎 / 人びとの情景 amazon
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歓楽街・盛り場の表現・描写・類語(店・施設のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(遠くに見える歓楽街の光)あんな 眩 ゆい、物寂しい光の 坩堝 の中で生きているのか。《…略…》そこから見ると、道頓堀は小さくはかなく、遠い辺境の地であるかのように映る
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
繁華街の酒気を感じさせる強い風
高樹のぶ子 / その細き道(追い風) amazon
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「店・施設」カテゴリからランダム5
(組長室)中は十五畳ほどの広さだ。部屋の真ん中には重厚なテーブルが置かれていてその周りを黒革張りのソファがかこんでいる。窓際には首相官邸の総理大臣室に置いてありそうな、ニスのきいた豪奢なデスクとプレジデントチェアーがあってそこに座れば威圧感たっぷりにソファの人間を見下ろすことになるだろう。
七尾与史 / 死亡フラグ立ちました! amazon
ひんやりした空気が歓楽街の臭気を濁らせたり消したりしている
宮本輝 / 道頓堀川 amazon
その時、私たちの到着を待ち望んでいたかのように、照明に灯がともった。カクテル光線を浴びた球場は、天から舞い降りてきた宇宙船だった。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
「人の印象」カテゴリからランダム5
S・Kとは木村貞一のイニシャルで、そのトランクは木村の父が欧米を漫遊した時使ったものなのだ。その古い色を見ると、木村の父の太 っ腹 な鋭い性格と、波瀾 の多い生涯 の極印 がすわっているように見えた。
有島武郎 / 或る女
ぐったりとした患者は鳥のように白く眼をあけて何か呟いた
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
「密度・集団」カテゴリからランダム5
真黒にかたまって
吉川英治 / 銀河まつり
マンションや飲食店が立ち並んでいる場所から、店の方へ歩いていくにしたがって、オフィスビルしかなくなっていく。 その、ゆっくりと世界が死んでいくような感覚が、心地いい。
村田 沙耶香「コンビニ人間」に収録 amazon
我先にとバスに乗り込む小競り合いが続く。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
「地上・陸地」カテゴリからランダム5
日かげと小さな湖を内包した森
綿矢 りさ / 仲良くしようか「勝手にふるえてろ (文春文庫)」に収録 amazon
標高が上がって、耳がツンとした。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
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