岡本かの子 / 金魚撩乱 ページ位置:0% 作品を確認(青空文庫)
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晩春・初夏
崖・谷・断崖絶壁
樹木・木々
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前後の文章を含んだ引用
......もまた失敗か――今年もまた望み通りの金魚はついに出来そうもない。そう呟 いて復一は皿と拡大鏡とを縁側 に抛 り出し、無表情のまま仰向 けにどたりとねた。 縁から見るこの谷窪 の新緑は今が盛 りだった。木の葉ともいえない華 やかさで、梢 は新緑を基調とした紅茶系統からやや紫 がかった若葉の五色の染め分けを振 り捌 いている。それが風に揺 らぐと、反射で滑 らかな崖 の赤土の表面が金屏風 のように閃 く。五六丈 も高い崖の傾斜 のところどころに霧島 つつじが咲 いている。 崖の根を固めている一帯の竹藪 の蔭 から、じめじめした草叢 があって、晩咲 きの桜草 や、早咲きの金蓮花 が、......
単語の意味
赤土(あかつき・せきど)
新緑(しんりょく)
若葉(わかば)
紫(むらさき)
赤土・・・赤い土。赤色は鉄分に由来するもの。
新緑・・・晩春や初夏のころの、木々の若葉のみずみずしい緑。
若葉・・・芽を出したばかりの葉。とくに、初夏の木々のみずみずしい葉。新葉(しんば)。
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晩春・初夏の表現・描写・類語(春のカテゴリ)の一覧 ランダム5
春はどんどん深まっていった。風の匂いが変わっていった。夜の闇の色合いも変化した。音も違った響きを帯びるようになっていった。そして季節は初夏に変わった。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
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崖・谷・断崖絶壁の表現・描写・類語(地上・陸地のカテゴリ)の一覧 ランダム5
馬の背のような切り立った道
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
河の流れ出た所があたかも切りさいたように 断崖 が二つに分れていた。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
荒々しい岩石の重畳する風景
梶井基次郎 / のんきな患者
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樹木・木々の表現・描写・類語(植物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
すっかり葉の落ちてしまった木が箒のよう
カレル チャペック / 園芸家12カ月 amazon
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「植物」カテゴリからランダム5
からたちの真白い小花が、柔らかい紙を散らしたように咲く
高樹 のぶ子 / 光抱く友よ amazon
月をつかみ取るようなかっこうに、杉の枝が空に伸びる
長崎 源之助 / ゲンのいた谷 amazon
「地上・陸地」カテゴリからランダム5
眼を澄ませ心を透き徹らせる風景
梶井基次郎 / 冬の蠅
尾を拡げた孔雀のような椰子林
横光 利一 / 王宮「定本横光利一全集 (第10巻)」に収録 amazon
小松の茂った山が盆を伏せたように煙る
水上 勉 / 雁の寺 amazon
「春」カテゴリからランダム5
(梅)青空に象嵌をしたような、堅く冷たい花を仰ぎながら
芥川 竜之介 / 或日の大石内蔵助 amazon
惜し気もなく散る彼岸桜 を誘うて、颯 と吹き込む風
夏目漱石 / 吾輩は猫である
「夏」カテゴリからランダム5
つぎつぎと、絶えることなく花火が上がる。不況にあえぐこの街は、年に一度の夏祭りに、かなりの予算を使う。半分自棄のように、花火を打ち上げるのだ。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
蛍が、水面を漂う細い糸のような光の筋を曳(ひ)き、解きつほぐれつしながら漂う
長野 まゆみ / 銀木犀 amazon
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