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塔の屋根には霜が下りているせいであろう。まだうすい朝日に、九輪 がまばゆく光っている。
芥川龍之介 / 鼻 ページ位置:94% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
朝日・朝の光
屋根・かわら・屋上
霜(しも)
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前後の文章を含んだ引用
......つきで、鼻を抑えながら、こう呟いた。 翌朝、内供がいつものように早く眼をさまして見ると、寺内の銀杏 や橡 が一晩の中に葉を落したので、庭は黄金 を敷いたように明るい。塔の屋根には霜が下りているせいであろう。まだうすい朝日に、九輪 がまばゆく光っている。禅智内供は、蔀 を上げた縁に立って、深く息をすいこんだ。 ほとんど、忘れようとしていたある感覚が、再び内供に帰って来たのはこの時である。 内供は慌てて鼻へ手を......
単語の意味
朝日・旭(あさひ)
朝日・旭・・・朝に昇る大陽。日の出。旭日(あさひ・きょくじつ)。
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朝日・朝の光の表現・描写・類語(時間帯(朝・昼・夜)のカテゴリ)の一覧 ランダム5
空は濃青に澄 み澱んで、小鳥は陽の光を水飴のように翼 や背中に粘 らしている朝があった。
岡本かの子 / 金魚撩乱
八時を過ぎた太陽の光が、紅葉坂 の桜並み木を黄色く見せるほどに暑く照らしていた。
有島武郎 / 或る女
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屋根・かわら・屋上の表現・描写・類語(家・建物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
編笠(あみがさ)を被せたような藁屋根
火野 葦平 / 麦と兵隊 amazon
銀の鱗を並べたような人家の屋根が連なる
獅子 文六 / てんやわんや amazon
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霜(しも)の表現・描写・類語(雪・霜・あられのカテゴリ)の一覧 ランダム5
(冷凍庫に冷やしていたウォッカの)壜 についた霜が、握りしめた手のかたち通りに水になって垂れた。
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
霜柱でひどく膨らんだ路
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
千万本の針のような霜柱
本庄 陸男 / 石狩川 amazon
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「雪・霜・あられ」カテゴリからランダム5
日当たりの雪の壁が雲母のように薄い氷になって重なる
石森 延男 / コタンの口笛 第2部 amazon
雪片はごく薄い錫(すず)の箔をうちあてるような音を立てて
三島 由紀夫 / 金閣寺 amazon
時々むこうの山の見えなくなるほど雪が降って来た。
志賀 直哉 / 痴情「城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)」に収録 amazon
雪の上を、犬の足痕のような花弁の模様が点々と走っている
福永 武彦 / 風のかたみ amazon
だんだん霜は鋭くなってきた。
梶井基次郎 / 冬の日
「時間帯(朝・昼・夜)」カテゴリからランダム5
夕方の気配が、街にしのびよってきていた。陽にはかすかにオレンジが混じり、西の雲は明るく光りはじめた。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
舟の家が朝焼けの中で暗く沈んでいた。
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
陰鬱な静けさが一枚の黒い大きな布のように降りてくる
森 瑤子 / 傷 amazon
「晴れ・曇り」カテゴリからランダム5
ズボンもプレスがされていて、そこに窓から差しこんだ黄昏の陽が染みのようにあたっていた。
遠藤 周作 / 影法師 amazon
桃色真珠をばらまいたような暖かい光が広がる
林 京子 / やすらかに今はねむり給え amazon
「家・建物」カテゴリからランダム5
黴(かび)臭い家の中で人々が青い息をする
有吉 佐和子 / 華岡青洲の妻 amazon
離れは質素を通り越して見すぼらしかった。素っ気ないコンパクトな平屋造りで、止むを得ず渋々そこに建っているかのような気配を漂わせていた。その気配を覆い隠すためか、離れの周囲だけ、手入れをされていない樹木が伸び放題に茂っていた。玄関は日当たりが悪く、呼び鈴は壊れて鳴らなかった。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
(縁の下)土台柱は、みんな白蟻が蝕 ったように腐っていた。建ってから一世紀以上は経っている
吉川英治 / 銀河まつり
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