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(夜更けの人通りのない道、腰に下げた鈴)生まれてからまだ一度も踏まなかった道。そして同時に、実に親しい思いを起こさせる道。――それはもう彼が限られた回数通り過ぎたことのあるいつもの道ではなかった。いつの頃から歩いているのか、喬 は自分がとことわの過ぎてゆく者であるのを今は感じた。 そんな時朝鮮の鈴は、喬の心を顫 わせて鳴った。ある時は、喬の現身 は道の上に失われ鈴の音だけが町を過るかと思われた。
梶井基次郎 / ある心の風景 ページ位置:92% 作品を確認(青空文庫)
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閑散・人気(ひとけ)がない
鈴・ベル
深夜
道
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前後の文章を含んだ引用
......なかでは聞こえなくなり、夜更けの道で鳴り出すそれは、彼の心の象徴のように思えた。 ここでも町は、窓辺から見る風景のように、歩いている彼に展 けてゆくのであった。 生まれてからまだ一度も踏まなかった道。そして同時に、実に親しい思いを起こさせる道。――それはもう彼が限られた回数通り過ぎたことのあるいつもの道ではなかった。いつの頃から歩いているのか、喬 は自分がとことわの過ぎてゆく者であるのを今は感じた。 そんな時朝鮮の鈴は、喬の心を顫 わせて鳴った。ある時は、喬の現身 は道の上に失われ鈴の音だけが町を過るかと思われた。またある時それは腰のあたりに湧 き出して、彼の身体の内部へ流れ入る澄み透った溪流のように思えた。それは身体を流れめぐって、病気に汚れた彼の血を、洗い清めてくれるの......
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中を覗 くとがんがらがんのがあんと物静かである。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
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深夜の表現・描写・類語(時間帯(朝・昼・夜)のカテゴリ)の一覧 ランダム5
黎明 はまだ遠く鶏は鳴く 時刻 ではない。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
月は陰鬱な祭司のように冷たく屋根の上にいて、その両手に不妊の海を捧げ持っている。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
梶井基次郎 / 冬の蠅
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人通りの多い往来は相変わらず毛生欅 の並み木のかげにいろいろの店を並べています。
芥川龍之介 / 河童
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食堂の時計が引きしまった音で三時を打った。
有島武郎 / 或る女
ちょっと見ては何処の国の型かも判らない大型で彫刻のこんだ寝椅子
岡本かの子 / 母子叙情
二本目の煙草に手を伸ばし、狭い部屋を白く煙らせた。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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闇市 跡のような暗い路地
又吉直樹「劇場(新潮文庫)」に収録 amazon
横に切れた路地
林芙美子 / 新版 放浪記
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浮世のボオフラのような男
林芙美子 / 新版 放浪記
淫売婦たちに、マリヤの円光を現実に見た
太宰治 / 人間失格
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あたりは静かで、世界中で目を覚ましているのは(私たち)二人きりのよう
五木 寛之 / 海を見ていたジョニー amazon
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